「アルメン」などユニークで効果的な採用方法
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飲食店でアルコールを飲みながら面接を行う「アルメン」
2015年4月入社の新卒採用活動が昨年の12月1日からスタートしました。採用情報企業のマイナビ調査によると、2015年卒の採用数を増やすと回答した企業は全体の13.3%(大幅に増やす+多少増やす)、減らすと回答した企業は9.7%(大幅に減らす+多少減らす)で、やや増やす企業の方が多いという結果になっています。
大手企業に応募学生をとられてしまう傾向にある中小企業では、趣向を凝らしたさまざまな採用活動をしています。例えば「アルメン」。これは営業職・事務職に特化した就活で、飲食店でアルコールを飲みながら経営者自身が面接を行うというものです。基本的に飲食代は企業側が負担し、学生は無料で参加。その場で社長に自己アピールができます。学生には複数参加を条件にしている点もユニークです。中小企業では、なかなか応募学生が集まらず新卒採用に苦労していますが、こういった場で直接経営者が熱い思いを語ることで、企業にとっても学生へアピールができるメリットがあります。
学生の「本気度」を見極めるために入社試験を有料化
アルコールを利用する面接の他にも、新卒採用時の入社試験を有料化するというのがあります。エンタテイメントコンテンツ事業を展開するドワンゴグループでは、入社試験料金として受験の際に2525円を受験料として支払ってもらう形をとっています(エントリーは無料)。地方在住者の受験料は免除で、受験料は全額寄付されるとのこと。受験料金有料化の目的として掲げられているのは「本気でドワンゴで働きたいと思っている人に応募・受験してもらいたい」「受験生が多すぎて採用の手間が増えてしまい、本当に必要な人材を見極めるための十分な時間をとることが難しいため」としています。
Webでの応募が一般的になって以降、学生は会社説明会のエントリーはするものの、当日になってドタキャンが頻発し、企業側は予定している会社説明会を満足に開催できない場合があり、採用活動に苦労しています。応募する学生の本気度が企業には見えない状況になっているのを防ぎ、熱意のある学生だけを採用したいという考えから「有料受験」を実施するというのも、ある種うなずけるところがあります。
タバコを吸わないことを条件に採用する企業も
また、星野リゾートでは、約10年前からタバコを吸わないことを条件に採用しています。もともとは、喫煙者で有能な社員を肺がんで失ったことがきっかけに誕生したものだそうです。それ以来、禁煙は「作業効率」「施設効率」「職場環境」の要素において、企業競争力を向上させるという考えのもと、喫煙者を採用しないことになっています。喫煙者の場合は、禁煙することを誓約し入社します。喫煙者は非喫煙者に比較すると、就業時間内の離席時間が長時間におよぶ傾向があり、喫煙者によっては1日あたりの離席時間が1時間を優に超える場合もあるとされ、実働時間にも明らかに差が出るとして、問題視している企業もあります。
いずれの採用活動にも共通していえるのは「本気で働く人と巡り合いたい」という企業側の思い。これに応えてくれる人が応募し、活躍してほしいものです。
IT業界を元気にするSE出身社労士
成澤紀美さん(社会保険労務士法人スマイング)
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