DQNネームでいじめに…改名できる?
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当て字やキャラクター名など、増えるDQNネーム
無料の赤ちゃん名づけアプリを提供するサイトが、「ベスト・オブ・キラキラネーム」の2013年版を発表。1位には「泡姫(ありえる)」が選ばれました。2~5位は「黄熊(ぷう)」「姫星(きてぃ)」「宝物(おうじ)」「希星(きらら)」でした。
キラキラネームはDQNネームとも呼ばれ、通常の読み仮名を無視した当て字や、漫画やアニメのキャラクター名のように、読みづらかったり、常識的に考えがたい言葉を用いる名前を指す言葉です。両親が一生懸命考えてつけてくれた名前かもしれませんが、本人にとっては社会で生活していく上で支障が生じることもあるかもしれません。人によっては改名したいと思うこともあるでしょう。
正当な事由があれば、名前は変更できる
法律上、名前を変更する手続きは存在します。正当な事由があれば、家庭裁判所の許可を得て、名前の変更を届けることができます(戸籍法107条の2。なお、法律上は「姓・氏」と区別して「名」と呼びます)。 正当な事由が求められる理由は、名前が本人を特定するために必要なもので、簡単に変更できてしまったのでは社会生活において不都合が生じると考えられているからです。次々と名前を変えながら犯罪を繰り返す、といったことも起きてしまいます。
過去の裁判例を見ると、正当な事由があると認められるためには、名前を変更する必要性が求められます。例えば、「著名になってしまった犯罪者と同姓同名であるため勘違いされてしまう」「性同一性障害のため他の性別への変更手続きをした」などが挙げられます。
いじめ被害などの具体的な支障があれば変更できる可能性はある
このように、名前の変更の必要性が高い場合は、それだけで名前の変更が認められるかもしれません。しかし、変更する必要性を評価されない場合には、正当な事由と認めてもらうための要素が必要となります。裁判例では、変更して新しく使用したい名前のこれまでの使用状況(通称として使用してきた期間の長さや本人を特定するための名前として使われてきた状況など)や、名前を変更することによる社会的影響が低いかどうかなども考慮されてきたようです。
DQNネームによって、例えば「深刻ないじめ被害に遭っている」などの具体的な社会生活上の支障が生じているということであれば、変更が認められる可能性は十分あると思います。しかし、単に「嫌だから」という理由だけでは変更はできないでしょう。
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