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不祥事を防ぐ、企業理念を浸透させるスピーチ術

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相次ぐ企業の不祥事。今、原点に戻って見つめ直すべきは?

不祥事を防ぐ、企業理念を浸透させるスピーチ力

食材偽装やメニュー誤表記の問題が相次いで発覚し、反省の弁とともに謝罪する経営陣の姿が連日報道されています。それまで築いてきた企業の信頼を一瞬にして失墜させる。こういった問題が起きる背景には、その企業が社会に存在することの意義、「何のために事業を行っているのか」を見失ってしまっている現状があるのではないでしょうか。今こそ、原点に戻って見つめ直すべきは、経営トップの言葉や思いが社員ひとりひとりに届いているか、ということです。企業の経営理念は、企業活動の目的や姿勢、あるべき姿、社会的使命などが盛り込まれ、社員に対し、また、広く社会に発信されています。全社員が遵守すべき、自社の精神的な礎ともいえます。

ただ、その真意が社員に伝わっているのかが問題です。「伝えたつもり」ではなく、どうすればその思いが「伝わる」のかに心を注いでください。社員相手に訓示をするような場では、「お互いにわかりきったこと」と、伝わる工夫を省いてしまいがちです。それでは表面的な意味は伝わっても、真の意図や行間にこめた思いまで正確に相手に伝わるとは限りません。

最も大切なのは「伝え方」。社員への期待をプラスして伝える

イメージしてみてください。社員は運命共同体です。「会社」という同じ車に皆で乗りこみ、目標に向かって一丸となって山道を越えていこうとしているわけです。その行程で道を見失わないように方向を指し示す羅針盤が、トップの言葉です。 社員が迷わないように導くためには、どんなときにもトップが「何を話すのか(内容)」はもちろんのこと、「何のために話すのか(目的)」「誰に話すのか(対象)」を自身の中でしっかりと認識しておく必要があります。

そして最も大切なのが、「どのように話すのか(伝え方)」です。相手の心のストライクゾーンに投げこむためには、「どんな言葉を選ぶと伝わりやすいか」「どんな構成にすれば印象に残るか」「どんな声、表情が共感を呼ぶか」などの戦略を練りましょう。同時に、その話を通じて「何を理解してもらいたいのか」「どうなってほしいのか」というゴールを指し示しながら、話を進めていきましょう。トップの思いを一方的に話すのではなく、「そのために社員へ期待すること」をプラスすることで、聴く姿勢もできます。そして、その場で話されることが自社の共通の目標となります。

最後に、「伝わる話し方」の最大の秘訣は、「大切な人に話すつもりで話すこと」です。目の前にいる聴き手を自分の大切な人と思い、「この人に絶対に分かってほしい」「この人にこそ伝えたい」という熱い思いで、声や言葉惜しまずに全身で伝えるようにすれば、必ず相手の心に響きます。

川邊暁美

ビジネスに生かすスピーチ指導のプロ

アナウンサー

川邊暁美さん(言の葉OFFICE かのん)

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