星野監督のマネジメントに学ぶ、経営者が叱らない組織づくり
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「選手を叱らない」星野監督のチームマネジメント

東北楽天ゴールデンイーグルスが球団創設9年目でリーグ初優勝を果たしました。星野仙一監督は、中日ドラゴンズ、阪神タイガース、そして今回の楽天と、これまで率いたすべてのチームで優勝したことになります。名将といって間違いないでしょう。星野監督といえば、「鬼の星野」と呼ばれ、昔は鉄拳制裁も辞さない「怖い監督」でした。しかし、今は選手をあまり叱らないといいます。ただ年齢を重ねて人間的に丸くなっただけなのか。そうではありません。現在の星野監督のチームマネジメントの柱は、「コーチを叱る」ことにあるのです。監督がコーチを叱りつけることで、チーム全体に緊張感を与え、意識を高めています。今年の楽天は、監督に叱られたコーチがしっかりと選手を指導できたことが優勝の大きな要因となったのでしょう。
中間管理職には「叱る」と「褒める」のバランスが求められる
企業にも「星野監督流のチームマネジメント」を取り入れることはできます。その際、成否の鍵を握るのが中間管理職です。経営者から指摘を受けた中間管理職は、時に部下を叱ったり、厳しく指導したりしないといけません。しかし、叱り方がわからず、部下を育てられない中間管理職が多いのが現状です。確かに昔と比べて叱られることに慣れていない若者が増え、近頃は「パワハラ」といわれる難しさもあり、接し方に悩んでいる傾向にあります。とはいえ、「叱る」ことは人材育成において欠かすことはできません。
叱ることが下手は人は、冷静さを失い、感情的に怒ってしまっています。そうなれば、改善しなければならない内容も「育ってほしい」との思いも相手には伝わりません。また、「なぜ叱られているのか?」といった原因と、「今後、どのようにすれば良いのか?」という改善策を伝えることを怠ってはいけません。一方的に注意したり、価値観を押し付けたりしては育成面での効果はほとんど得られないでしょう。しかも、反発を生んで職場環境さえも悪くし、生産性を著しく低下させてしまいます。叱った後には的確なフォローも必要です。中間管理職には「叱る」と「褒める」のバランスが求められます。
目標達成には、叱ることができる中間管理職が必要不可欠
相手を思うからこそ、叱ることができるのです。信念を持って叱れば、それは必ず伝わります。企業が目標を達成できるかどうかは、面倒に思える懸命な説明責任から逃げず、きちんと叱ることのできる中間管理職がいることが条件です。そのような人は、おおむね部下からの信頼も厚いため、さまざまな良い波及効果をもたらしてくれるでしょう。

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