赤ちゃんに日光浴を!骨の成長を妨げる「くる病」の予防策
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母乳で育てられている乳幼児に多い「ビタミンD欠乏性くる病」
現在、乳幼児に「くる病」が増えています。「くる病」とは、カルシウムが骨に沈着せず、骨の中に軟らかい組織(骨もどき)が増加している状態をいいます。セメントが固まっていない、ドロドロとした鉄筋コンクリート建造物を想像するとわかりやすいかもしれません。「くる病」は、骨の成長を妨げたり、変形させたりします。そのため、ひどいO脚、成長障害、歩行障害を引き起こします。日本では、母乳で育てられている乳幼児に「ビタミンD欠乏性くる病」が多い傾向にあります。
日本の乳幼児でビタミンDが不足する原因としては、極端な母乳信仰とアトピーを恐れた乳製品回避が挙げられます。母乳はカルシウムに富んでいますが、ビタミンDはほとんど含まれていません。ビタミンDを含んだ人工乳を全く使わず、アトピーを恐れて食品制限をした乳幼児に、このような「ビタミンD欠乏性くる病」がしばしば見つかっています。また、ビタミンD不足になると、特に足の筋力が弱り、転びやすくなるため、骨折の危険が高まります。
カルシウムだけじゃ駄目。骨を成長させるビタミンD
骨にとって大切な栄養素としては、カルシウムが頭に思い浮かびます。カルシウムは骨を作るだけではなく、筋肉や神経を正常に働かるためにも血液中に一定量必要です。そのため、カルシウム不足になると、血液中にカルシウムを増やそうとして骨が溶けていくのです。通常、カルシウムは小腸から吸収されますが、そのためにはビタミンDが不可欠なのです。いくらカルシウムを摂取しても、ビタミンDが足りなければ、あまり吸収されません。結果、血液中のカルシウム不足を補うために骨が溶けてしまい、乳幼児の骨の成長障害につながるのです。
適度な日光浴で「昔ながらの生活」を
ビタミンD不足は、食生活だけが原因ではありません。もちろん食事の影響も大きいものがありますが、乳幼児の遊び方にもあります。ビタミンDは、紫外線の力を借りて皮膚で作られています。つまり、日光に当たらないと、ビタミンDはほとんど作られません。子どもの日焼けを気にして日光浴をさせないという風潮も、「くる病」を増加させています。アレルギーがなければ好き嫌いなく、ビタミンDを多く含む卵や魚類を食べさせて、適度な日光の下で遊ばせるという「昔ながらの生活」に回帰すべきでしょう。
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