アベノミクス倒産を回避する6つの企業防衛術
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起業率10%台目標の裏の顔と黒字転換期の落とし穴
アベノミクスの三本目の矢「民間投資を喚起する成長戦略」により「景気が良くなる」と大歓迎するのは拙速かもしれません。近年、日本の起業・転廃業率はそれぞれ5%前後ですが、アベノミクスは、この起業率を欧米並みの10%前後にまで引き上げようとしています。しかし、起業の促進が「転廃業やむなし」を意味するのは、起業・転廃業率が世界各国でもほぼ均衡している点を見て明らかです。成長の陰に潜む裏の顔ともいうべき「倒産・転廃業の増加容認」を忘れてはなりません。
また、企業が倒産するケースに受注拡大期の資金不足があります。いわゆる「黒字倒産」といわれるものであり、拡大する受注や商品販売に伴い、先行する仕入や外注費、人件費の支払いができずに倒産するというものです。金融機関が貸出を渋っている今日、これもまた倒産の引き金になる可能性は十分ありえます。
アベノミクス倒産を回避するために必要なこと
この秋に安倍首相により決断されるであろう来年4月からの消費税増税や、国税や社会保険の滞納防止のための徴収強化、円安による材料費の高騰など、まだまだ中小企業を取り巻く経営環境は厳しいものがあります。これらを乗り越え、アベノミクス倒産を回避するには次のことが必要です。
①ウソ・偽りのない早期正確な月次決算の作成
②経営者が自社の決算書を読み、金融機関に説明
③経営者の魂を込めた経営計画書を作成・実行
④経営者が金融機関へ毎月月次決算書を持参・説明
⑤経営計画書との「かい離」原因と対策を明確にして行動を修正
⑥6か月先までの資金繰り表を作成し、早め早めに金融機関に相談
中小企業金融円滑化法の終了も影響。認定支援機関に早めの相談を
この春に終了した中小企業金融円滑化法により倒産を免れている中小企業数は、30万社とも40万社ともいわれています。これらの企業の倒産回避のために中小企業経営力強化支援法などが施行されているものの、「経営者自身のやる気」が見えなければ金融機関は金融支援をストップすることもありえます。先の6つのことを実践し、「経営者自身のやる気」をアピールする努力が求められるのです。
国は手厚い中小企業支援策を実施し、すでに13,000を超える商工会や商工会議所、金融機関、税理士などが認定支援機関となり、中小企業の支援の準備をしています。経営に心配のある企業は認定支援機関に早期に相談することをオススメします。
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