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顔面神経麻痺は風邪が引き起こす病気?鍼灸治療で改善可能!?

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美容・健康

■風に当たると体温低下を招く 3月に薄着は要注意

2026年2月23日(月)に、春一番が吹きました。2年ぶりの観測です。春一番は、立春(2月4日頃)から春分(3月21日頃)の間に、広い範囲で初めて吹く暖かく(やや)強い南風のことです❶。
2月・3月は、強い風が吹きます。「風」は体調を左右する外因の一つです。長い時間「風」に当たると、体温低下につながります。体温調節は、肝臓が主たる役割をしていますので、薄着のまま風が吹く公園などに長時間いると肝臓が疲労します。気温の寒暖差が大きい三寒四温の時期は、肝臓の疲労を背景とした体調不良を感じやすい時期です。3月は年度末で、卒業式や送別会が多くなります。飲食の機会が多くなると、肝臓の疲労を助長します。病気を発症しやすい時期でもあります。
この時期、「風」に当たって発症する代表的な病状に「顔面神経麻痺」があります。顔面神経麻痺には、中枢性や末梢性の疾患など、様々な病気が考えられますので、顔の動きに異常を感じたら、直ちに専門医の受診が必要です。

小学館から発売された清野充典著『知らないうちに寿命を縮める危ない生活習慣24』(2025年11月19日(水)発売)には、肝臓の疲労に対する予防策をたくさん紹介していますので、ご覧戴きたく思います。

■末梢性顔面神経麻痺発症の原因

顔面神経麻痺は、中枢性、末梢性、外傷などに分けられます❷。末梢性麻痺は約9割❸です。中枢性麻痺は約1割ですが、脳梗塞や脳出血などの疾患がないか、正しい鑑別が必要です。例えば、脳梗塞の場合一過性に発症しても数時間後に動くようになる場合があります。脳梗塞の改善には4.5時間以内❹の処置が望ましいので、直ちに医療機関を受診する必要があります。顔が動かないとき、そのうち治るだろう放置せず、真剣に自分のからだと向き合う必要があります。
ウイルス疾患による末梢性顔面神経麻痺症状には、整体力(健康体を維持する力や病体を生命体へ押し戻す力)向上が必要です。鍼灸治療は病体の調和を推進する治療法です。
東洋医療を行う場合、東洋医学の病因に対する考え方が、病態分析に役立ちます。
東洋医学では、病因を外因、内因、不内外因に分類します。

外因 風・寒・暑・湿・燥・火
内因 喜・怒・憂・思・悲・恐・驚
内外 因不適切な日常生活

顔面神経麻痺を発症したときは、外因の要素である「風」の影響が考えられます。東洋医学では、病因の因子を邪気(じゃき)と言います。風因子(かぜいんし)のことは風邪(ふうじゃ)と言います。当院に来院される顔面神経麻痺を発症した患者様の原因を紹介すると、

1.お風呂場で湯船に入っている際窓を開けてうたたねをしたとき 麻痺側に風が当たっていた
2.オートバイに2人乗りをして後ろに乗っているとき 麻痺側で強い風を受けていた
3.扇風機の首振り機能を使わず長時間 麻痺側に風を受けていた
4.高いビルの屋上にいるとき 長時間麻痺側に強い風を受けていた

などがあります。また、精神的な驚きがきっかけで発症する例もあります。

5.お風呂場をのぞかれてびっくりした後発症した
6.地震でタンスが倒れてきて恐ろしい思いをした後発症した

これらの場合は、内因の要素である「恐」・「驚」の影響が考えられます。
いずれも、心身の機能低下が背景にあるのではないかと思います。
「風」に当たると気持ち良いですが、「風」は「邪気」にもなります。「風」という「邪気」が身体に入り込み身体内の調和が崩れた状態を「風邪(かぜ)」と言います。「風邪は万病の元」と言いますので、「風」との付き合いには注意が必要です。

■顔面神経麻痺は1日でも早く鍼灸治療する必要があります

顔面の動きが悪いと思ったら、臨床経験上1分1秒でも早い治療の開始を勧めます。日本耳鼻咽頭科頭頚部外科学会では、3日以内での治療開始を推奨しています❺。
「風」が原因で片側に発症した際は、鍼灸治療で改善する確率が非常に高い病態です。
45年に及ぶ臨床経験上、服薬をせず鍼灸治療単独で治療した場合、

発症1日目に治療すると、1日で改善
発症3日目に治療を開始すると、3日で改善
発症5日目に治療を開始すると、5日で改善
発症7日目に治療を開始すると、7日で改善
発症10日目に治療を開始すると、約10日で改善
発症14日目に治療を開始すると、約14日で改善

する印象があります。2週間以内に鍼灸治療を開始すると、発症してからの日数とほぼ同じ期間で改善しています。発症後1ヶ月程度だと、おおむね同期間で改善しますが、それ以上になるとやや時間を要します。
改善する確率が高いのは発症後3ヶ月までです。それ以降は、神経細胞自体が変性を来たすと考えられており、改善しない例も少なくありません。3ヶ月を経過すると、治癒までに1年以上要する場合もあります。
通院が可能な動ける人は、一日でも早い鍼灸治療の開始を勧めます。鍼灸治療は、出張治療も可能ですので、出張を行っている鍼灸師にご相談戴きたく思います。

■顔面神経麻痺改善に鍼灸治療や瘀血治療は最適です

顔面神経麻痺は、脳梗塞や脳出血の後遺症として発症する場合があります。また、帯状疱疹を発症後5週間くらい経過した頃に発症する例も、数多くあります。基礎疾患があっても、麻痺が発現したときを1日目と考え、早めに鍼灸治療(内外科治療)をお試し戴きたく思います。顔面神経麻痺に限らず、橈骨神経麻痺、尺骨神経麻痺、正中神経麻痺や腓骨神経麻痺なども同様です。
内因による病気には鍼治療、外因による病気には灸治療が有効です。血液巡行や体液代謝の機能低下を伴うときは、「瘀血治療」が最適です。
薬物治療(内科治療)や外科手術(外科治療)をした後に顔面神経麻痺を発症した人は、身体の外側から内臓機能に働きかけることが可能な鍼灸治療(内外科治療)が有効ですので、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療提供施設にご相談ください。
清野が呼称する養正(ようせい)治療は、日常の適正な生活です。詳しくお知りになりたい人は、清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」をご参照願います。
体調管理や健康増進には、運動法や呼吸法が有効です。ヨガ(YOGA)療法をご希望の人は、清野メディカルヨーガもしくはお近くのヨガ教室にご相談戴きたく思います。

2025(令和7)年11月19日(水)に小学館から発売された清野充典著『知らないうちに寿命を縮める危ない生活習慣24』の内容は、JIJICOに掲載された1~70本目のコラムを24に再編集した内容です。この本のために書いたコラムもあります。清野が提唱する「養正治療」の内容が満載です。病気予防に対するコラムも収載されていますので、ぜひご覧戴き、東洋医学に基づく養生法を実践戴きたく思います。

[参考文献]
❶季節ごとの平年の天候についてのコラム 「春一番」 気象庁
❷「顔面神経麻痺」順天堂大学医学部附属順天堂医院耳鼻咽喉・頭頸科
❸「顔面神経麻痺」日経メディカル 外来診療クイックリファレンス
❹「4.5時間を過ぎても、専門的な脳梗塞救急治療が重要です」国立循環器病研究センター
❺「顔面神経麻痺ってどんな病気?原因・治療・リハビリまで」意外と知らない身近な耳鼻咽頭科 頭頚部外科

清野充典

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

鍼灸師

清野充典さん(清野鍼灸整骨院)

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