乾布摩擦は"細胞のスイッチ"だった──更年期こそ見直したいミトコンドリア活性法
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寒い朝、《思わず手を擦り合わせた》ことはありませんか?
あの自然な動きは、“摩擦で血流を促す”という【本能的な温活】です。
更年期に入ると、「冷え」「疲れやすさ」「体温の不安定さ」に悩む方が増えていきます。
その背景には、細胞内でエネルギーをつくる“ミトコンドリア”の働きがあります。
『乾布摩擦』は、このミトコンドリアの環境を整える【シンプルかつ合理的なケア】として、いま改めて注目されています。
まさに、「自分の手でスイッチを入れる」感覚です。
乾布摩擦は、“ミトコンドリアに直接作用する”のではなく、「働きやすい条件を整える」アプローチです。
更年期に起きやすいのは、(1)自律神経の揺らぎ、(2)血流の低下、(3)体温調節の乱れ。
これらはすべて、ミトコンドリアの機能と密接に関係しています。
乾布摩擦の鍵は、以下の2点にあります。
まず、血流改善。
皮膚への優しい摩擦刺激が、血管を広げ、局所の血流を高めます。
ミトコンドリアがエネルギー(ATP)をつくるには、“酸素”が不可欠。
つまり、《血流アップ=細胞の活性化》につながるのです。
そしてもう一点、「軽度の刺激によるホルミシス反応」。
これは、“適度なストレス”を与えることで、細胞自身が持つ耐性や代謝機能を高めていく仕組み。
『刺激しすぎない・でも何もしないのはもったいない』──その中間が、乾布摩擦です。
ここで、ひとつ気になる実例が。
「乾布摩擦」で検索すると、自衛隊の訓練動画がヒットします。
全身裸で隊員たちが真冬の屋外で身体をこすり合う姿は、まさに“乾布摩擦ガチ勢”。一見、古風な根性論かと思いきや──実は理にかなっていたのでは?という科学的な裏付けも出てきます。
実際に筆者も、朝のトーストを焼いている3分間で、肩甲骨まわりを乾いたタオルでやさしくこすってみたところ……
《体の奥からじんわりと温かくなる感覚》をすぐに実感できました。
それは“暖房で温まる”のとは明らかに違い、細胞の目が開くような静かな目覚め。昭和の時代には、裸で乾布摩擦するおじさんたちをよく見かけたものですが、あれはただの根性論ではなく、【知恵の継承】だったのかもしれません。
やり方はいたってシンプル。
乾いたタオルで、手先・足先から体幹へ向かってやさしくこすります。
《赤くなる一歩手前》がちょうどよく、1回5分程度で充分です。
朝に行えば、自律神経の切り替えがスムーズになり、「なんとなく重たい朝」が少し軽くなります。
「擦ると肌に悪いのでは?」と思われがちですが、強くこすらなければ科学的にも問題はありません。
むしろ、“熱+触覚”によって《細胞が目覚める条件》を自然に整える方法といえるでしょう。
乾布摩擦のもう一つの効能は、「自分の身体にふれる」という感覚です。
外からのケアではなく、“自分の手で、自分をいたわる”行為。
これが【心の安心感】にもつながります。
更年期は、「働く」「支える」「休めない」といった多重負荷が重なりやすい時期です。
「疲れが取れない」のは、あなたの“気合”が足りないわけではなく、
【細胞の環境】が追いついていないだけかもしれません。
『乾布摩擦』は、古くて新しいケア。
そして今こそ、《小さな習慣で、大きな変化》を生むセルフメソッドとして見直されつつあります。
【参考文献】
・日本生理学会「皮膚血流と自律神経調節」
・京都大学大学院医学研究科「加齢とミトコンドリア機能に関する総説」(日本細胞生物学会誌)
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