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「#リモラブ ~普通の恋は邪道~」でも注目されるコロナ禍の恋愛事情。オンライン婚活の現状と相手を見極めるポイントとは?

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恋愛や結婚という価値観を大きく揺るがした、新型コロナウイルスの感染拡大。先の見えない不安や気軽に人に会えないもどかしさの中、「自分は誰と未来を過ごすのか」と、将来に思いを巡らせた人も少なくないようです。出会いの場はオンラインへ移行し、「コロナ禍の恋愛」をテーマにした連続ドラマ「#リモラブ ~普通の恋は邪道~」(日本テレビ系・毎週水曜放送)でも、チャットの出会いから始まる恋愛模様が話題に。私たちの生活が多様化する中、出会いのカタチも大きく変わりつつあります。

実際のところ、婚活の現場ではどのような変化が起こっているのでしょうか。ウィズコロナ時代の結婚観やオンライン婚活の実情について、婚活コンサルタントの桑山裕史さんに聞きました。

今、結婚相手に求められるのは「たくさんのプラス」より「ストレスの少なさ」。オンラインお見合いは交際発展率を高めるが「リアルな感覚」を忘れないことも大切

Q:外出自粛期間を経て、婚活の現場ではどのような動きが見られましたか? 恋愛や結婚への意欲が高まった人は増えているのでしょうか?
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婚活をする人の動きは、大きく二極化が進んでいます。1つは、感染リスクの懸念や経済的事情から「婚活を休む人」。勤務先の倒産やリストラ、雇い止めなどの収入減により、婚活を中断せざるを得なかった人は少なくありません。

もう1つは、コロナ禍を機に「積極的に行動する人」です。

当社では外出自粛期間中、お見合いの数が半減しましたが、解除後の6月・7月は一気に新規登録者数が増えました。その理由としては、

・長い在宅時間を過ごすことで、パートナーの必要性を感じた人が増えた。
・今までハードワークだった人が、在宅勤務により時間に余裕ができた。
・海外旅行などのレジャーに行けなくなり、特別定額給付金も支給されたので、婚活に投資することを決めた。

といったものが挙げられ、自粛期間を経て婚活への一歩を踏み出す人は非常に多かったのです。

また、コロナ禍以前から活動していた人も「このまま時間だけが過ぎるなら前進したい」と、結婚へ真剣に向き合うケースが増えており、交際発展率や成婚率も上昇しています。オンラインツールの普及も追い風となり、現実にオンラインだけで出会いから交際までを完結し、成婚した例も出てきています。

Q:コロナ禍で結婚観が変わり、「パートナーに求める条件」も変化した人が多いと聞きますが、実際のところは?
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コロナ禍で相手に求める条件が明確になった部分は大いにあると思います。まず、在宅時間が増えたことで、「長時間一緒に過ごしてもストレスがない」「自分の時間を大切にできる」といった条件を挙げる人が増えました。

1人は気楽で心地いい、でもふとした瞬間に会話ができない寂しさを覚える。この「自立」と「寂しさ」の意識から、パートナーの存在を求めつつ、距離感を大切にしたいという思いが生まれたと考えられます。

そして、理想の男性像は、かつての「3高」に代わり、今は「3生」というものが求められています。

・「生存力」…トラブルが起こったときに対処できる力。
・「生活力」…経済的に自立し、自分で生活(家事など)ができる力。
・「生産力」…何もないところから新しいものを生み出す力。

特に、コロナ禍で重視されているのは「生活力」です。在宅時間が長い今、夫婦の家事分担は必須といえます。たとえ収入などの条件がよくても、身なりが乱れている、オンラインで写った部屋が散らかっている…といった人は「生活力がない」と見られ、今の市場ではマイナスと判断されがちです。

「感染対策のリテラシー」という新たな価値観も加わり、パートナーの自己管理能力や倫理観を気にする人も多いです。特に男性は「健康」「清潔感」「常識」「マナー」といった部分について、今まで以上に見られていると思っておいた方がいいでしょう。

Q:オンラインツールを活用した出会いが増えていますが、実際、婚活の現場では、オンラインの出会いから交際に発展するケースは増えているのでしょうか?
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オンラインお見合いが導入されて以来、婚活市場全体を通して、交際発展率や成婚率は確実に増えている印象です。当社の場合も、緊急事態宣言が発令され、ほぼ全てのお見合いがオンラインに切り替わったところ、交際発展率が従来の約2倍に上がりました。

Q:なぜ、対面に比べてオンラインの方が交際に発展する確率が高いのでしょう。考えられる理由は?
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まず、出会いのチャンスが増えます。オンライン導入後、当社では、在籍会員のお見合い件数が1.3倍程度増えました。時間や場所を選ばないので、遠方の人とも出会いやすいメリットがあります。

もう1つ考えられる理由は、オンラインならではの「余韻」です。対面お見合いの場合、どちらかが切り上げるまで続くので、自分の話を出し尽くして終わってしまうケースが多い。一方、オンラインの場合は制限時間が設けられているので、「もう少し話したかった」「相手のことをもっと知りたい」という心残りが生まれやすいのです。

ただし、オンラインは交際に発展しやすいものの、交際の「継続率」は、対面の方が高いのが現実です。オンラインだと「悪い人ではないので、もう一度話してみよう」という気になりやすいのですが、体型や雰囲気、においなどの「生理的に合うか」といった点は、実際に会ってみないとわかりません。

ですので、オンラインはあくまでツールとして活用し、段階に応じてリアル対面と使い分ける必要があります。

Q:オンライン婚活が普及する一方、新たな取り組みにハードルを感じる人もいると思います。オンラインならではのメリットはありますか?
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前述の通り、オンラインなら遠方の人とも気軽に会え、拘束時間や交通費、お茶代などの負担も減ります。対面なら躊躇する相手でも「オンラインならとりあえず会ってみよう」と心理的なハードルが下がるので、出会いの幅はぐんと広がるでしょう。

また、リアルな対面では、外見やノリの良さなどが有利に働きますが、オンラインでは雰囲気に流されることが少なくなります。それ以上に価値観や会話のスムーズさなどに焦点が当たり、より本質的な相性が見えやすくなると考えられます。

オンラインの場合、手元に会話のネタ帳などを忍ばせておくこともできるので、初対面で緊張してしまう人にとっては心強い味方です。

Q:今後もオンラインを活用した出会いが増え、リアルな対面の機会も減ることが予想されます。こうした中で自分に合った人を見極めるためのポイントは?
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今の時世で相性を見極める要素として「会わなくても安心できる」ことは大事だと思います。従来の婚活では、自分の付加価値や長所を互いにアピールするのが主流で、若い人は恋愛の「ドキドキ感」を重視する声も少なくありませんでした。

ですが、今は「たくさんのプラス」より「マイナスが少ない」ことが求められています。

どんなに条件がいい人よりも「心が安定している」「安心できる」ということが決め手になるケースは多く、コロナ禍というストレスを抱えている中で「不安になる要素がない」のは大きなポイントです。

気軽に会えない分、連絡の頻度やLINEやチャットのペースが合うことも、相性の見極めにつながるでしょう。昔は男性が恋愛をリードすべきといわれましたが、コロナ禍では女性側もコミュニケーションツールをうまく活用し、関係性を深める努力が必要といえます。

あとは、お互いの「部屋」も参考になります。オンラインお見合いでは、2回目以降は背景設定をはずすことをおすすめしています。インテリアから相手の趣味や価値観などが伝わりますし、「部屋が片付いていることがわかって安心した」という声も聞かれます。

ただ、先に述べた通り「実際に会ってみないとわからないこと」は確実にあります。オンラインの情報がどれだけ充実しても、最後に頼れるのは自分の〝リアルな感覚〟なのです。

Q:コロナ禍でも婚活がうまくいく人とは?いい出会いを見つけるために心がけておきたいことはありますか?
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これからの婚活は、対面一択ではなくなり、オンライン通話やチャットなど、さまざまなコミュニケーションツールを併用した形が主流となるでしょう。環境の変化に対応し、対面とオンライン、それぞれのメリットをうまく使い分けて、行動を起こせるかがカギになると思います。

そして、出会いの形が変わっても「相手と向き合う」という本質的なことは変わりません。オンラインだからといって手を抜いていいわけではなく、また自分の性格を変えることもできないのです。基本は「対面と同じ」と心得て、相手に対する礼儀と思いやりを忘れず、自分を飾らないことが大切です。

今年、成婚した人からは「こういうときだからこそ出会いを大事にしたい」という言葉を多く聞きました。コロナ禍という未曽有の事態に直面したことで、人とのつながりや、人間らしさというものが一層求められているように思います。

何事もタイミングと行動が大事です。長い在宅時間の中で、理想の結婚生活が見えてきた人は、今こそ、本当に自分に合った相手と出会う好機かもしれません。

桑山裕史

課題解決型の新しいタイプの結婚相談所を展開する経営者

婚活コンサルタント

桑山裕史さん(株式会社ナウい)

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