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外出自粛による休業中、休校中の空き巣被害が続出 狙われる店の特徴、効果的な防犯対策とは?

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新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言により、飲食店、遊興施設などに休業要請が出される中、各地で休業中の店舗を狙った空き巣被害が起きています。また、愛知県内で、3月、4月の臨時休校の期間中に、子どもが1人で留守番中に、家に侵入される事件が3件起きており、泥棒と鉢合わせしたケースもありました。

2011年の東日本大震災後も、住民が避難して無人になった店舗や住宅を狙う空き巣被害などが増加しました。今回も外出自粛により、繁華街の人通りも減っており、混乱に乗じた治安の悪化が懸念されています。泥棒が侵入をあきらめる条件や、日ごろからできる防犯対策とは。防犯・危機管理アドバイザーの神田正範さんに聞きました。

「侵入するのに時間がかかる」「人目につきやすい」など、泥棒があきらめる条件を整える。家の外回りの手入れや、良好なコミュニティーづくりも防犯には効果的

Q:緊急事態宣言後に休業する店舗で空き巣被害が増えています。狙われやすい店の条件はありますか?
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泥棒にとって最大の「得」は、捕まらないことです。東日本大震災後の福島県では、避難して誰もいなくなった店舗や住宅で、空き巣が増えました。「無人」により、泥棒は捕まらないと確信できます。人気のない場所・時間が日常的にあることは、侵入者にとって好都合となります。

また、「逃げやすい立地」も条件の一つです。当てはまるのは、周りに何もない一軒家、広い空き地や駐車場に隣接した場所や角地、居住スペースのないテナントビルなど。居住スペースに隣接していると、周囲に気付かれるリスクが高まるため、「侵入しにくい」とされます。

ターゲットとなりやすいのは、「現金を置いている」または「高級品を扱う」店です。高級品は、貴金属や宝石などがわかりやすい例ですが、最近では、高級食材も対象です。ワインやお酒、キャビアといった珍味など、店舗では業務用に大量に仕入れているため、転売目的で盗みます。また、バカラのグラスや数十万円もする花瓶など、調度品や備品までもが、目をつけられています。

建物の構造として、「ドアや窓などガラスが多い」「ガラスが極端に少ない」店では、注意が必要です。侵入する手口は、「ガラスを割る」「ドアをこじ開ける」など、破壊によるものがほとんどです。ガラスが多ければ、破壊して侵入できる場所が多い、逆に少なければ、物色時に外から見られないことになります。

Q:休業中の店舗では、どのような空き巣対策が必要ですか?
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「臨時休業」の張り紙は、「誰もいない」と知らせていることにもなります。平時でも、葬式を知らせる張り紙をしていると、空き巣被害にあった例はあります。一定期間貼りだしたら、外すなどの工夫も必要です。

有効な策は、現金から高級品、調度品まで、狙われそうな対象をすべて店舗から持ち出すことです。手間はかかりますが、ターゲットになるものがなければ、侵入されにくくなります。シャッターは閉めていても、出入り口の施錠を行っていない店舗も少なくありません。改めて、施錠を確認してください。

また、休業中も、不定期で、店舗を自ら見回ってください。隣近所に挨拶するなど、「ちょくちょく来ているな」と、周知することがポイントです。

用事のついでに行うと続けやすいので、掃除でも、今日はトイレ、明後日は床と、短時間でもこまめに足を運びましょう。あわせて、警備システムの導入も検討してください。店舗などの場合、相場で月額1万円~2万円に加え、初期費用もかかりますが、被害を迅速に発見・対応できることは、大きなメリットとなります。

非常時ならではの心構えとして、誰もいない店舗に空き巣が入ることを「想定内」とすることです。営業再開時にかかる費用の中に、空き巣の被害額も計上してください。非常時のため、空き巣の心配だけでなく、「感染症にかからないか」「家族を守れるか」など、さまざまな不安を抱えているはずです。空き巣被害を想定内にすることは、肩の荷を一つ減らすことにつながるのです。

Q:住宅の空き巣も増えており、泥棒と子どもが鉢合わせする事態も。万が一の場合、子どもを守るには?
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子どもであっても、自身の身を守ることができるのは、自分だけです。泥棒と鉢合わせした時には、逃げることが最優先ですが、残念ながら、家の中では、逃げる場所・時間の確保は期待できません。

子どもに伝えるべきは、「見ざる・聞かざる・言わざる」。すなわち、「目をそらす・後ろを向く」「耳をふさいでうずくまる」「騒がずに指示に従う」ようにと教えてください。

鉢合わせを防ぐ対策としては、子ども部屋があれば、緊急避難用の「パニックルーム」にすることも効果的です。部屋のドアに内鍵をつけ、蹴破られないようにロックを複数取り付けます。留守番のときは子ども部屋で過ごし、玄関前はインターホンの子機で、リビングルームはWebカメラで見られるようにしておくと安心です。

日ごろから留守番をさせることにより、子どもが自分で判断し、行動に移す習慣をつけることができます。その場合、保護者と「いつでも連絡がつく」体制が必要です。電話を持たせるだけで終わりではなく、子どもからの電話には必ず出るように心がけてください。

また、異常を察知したら「110番通報」をためらわないこと。子どもに危険が迫っても、親が助けられる場面ばかりではありません。親の指示待ちではなく、自ら「助けて」と言えるようになるためには、子どもが自由に発言できる親子関係を作っておくことも大切です。

被害を未然に防ぐことができた例として、群馬県渋川市で起きた、現職警察官による女児誘拐未遂事件があります。顔見知りの警察官から「パパが事故に遭った」と、声をかけられた女児が、警察官が私服であることを不審に思い、すぐに母親に電話をかけました。連絡を受けた母親はすぐに父親と連絡をとり、父親が110番通報したことで逮捕されました。

Q:自宅に空き巣が侵入しにくいよう、泥棒が嫌がるポイントを教えてください。
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泥棒が侵入をあきらめる条件は、次の4つの対策がされているかどうかです。

①被害対象の強化
②接近の制御
③監視性の確保
④領域性の確保

①は、侵入時に壊されやすい「窓ガラスを強化」「扉のロックを2つ以上にする」などの対策で、「侵入に時間がかかる」と思わせます。気付かれにくいところに鍵を取り付けて、泥棒をギャフンと言わせたいという人もいますが、開かないところは壊されます。むしろ、これ見よがしに取り付けて、「入りにくい」と思わせることがポイントです。

②は、敷地の境界線をはっきりさせて、誰が見ても「侵入者がいる」とわからせることで、不審者が近づきにくい環境を作ります。塀がない家でも、表札のポールや花壇など、境界線を意識させる工夫が必要です。

③は、自宅や周辺環境の見通しをよくし、「誰かに見られるかもしれない」という危険を感じさせます。例えば、夏になるとよく見かける「よしず」などはNG。プライバシーの確保に重点を置くと、防犯面ではリスクが生まれます。

④は、コミュニティーを形成することで、居住者のテリトリーを意識させます。泥棒は一軒ずつ下見をするわけではなく、まずは、ゴミ集積所やマンションのポストなど、共有スペースで判断します。「ゴミ集積所が汚い」「ポストからチラシがはみ出したまま」などの状態から、コミュニティーの希薄さを感じ取り、「通報されにくい」と考えるのです。反対に、住民同士で顔見知りが多い地域は、泥棒が「部外者として顔を覚えられるかもしれない」と、避ける傾向にあります。

Q:日ごろからできる防犯対策を教えてください。
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外から見て、「手入れが行き届いていない」「やりっぱなし」の印象がある家は目をつけられやすいです。人間の心理として、きちんと整頓されていない場所では「少しくらい悪いことをしてもいい」という気持ちになる場合があります。例えば、空き缶がたくさんポイ捨てされている場所なら、「自分もいいか」と思ってしまうような心理です。

具体的には、

・雨どいが割れているのに、長期間そのままになっている
・雨戸が中途半端に閉められている
・家族の自転車を、バラバラの向きで駐輪している
・園芸グッズなど、屋外に置いてある道具類が整頓されていない

などの状況があります。

これらの状況から泥棒は、「家の中も管理されておらず、貴重品も探しやすい」と推測します。家で過ごす時間が長い今こそ、自宅の手入れや整理整頓にも目を向けてみてください。

Q:新型コロナウイルスの影響で、治安は悪化しますか?一人一人が意識できることは?
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この状況が続けば続くほど、確実に治安は悪化します。外出自粛や失業などの大きなストレスによって、普段悪意を持たないような人でも、些細なことをきっかけに加害者側になってしまう危険があります。

また、報道で、新型コロナに乗じた犯罪などの情報に多くふれることで、「自分だけではない」という集団心理が生まれ、犯罪へのハードルが低くなってしまう傾向があります。

暴動が起きるなど、海外のような事態は考えにくいですが、ケンカなどの傷害事件、空き巣や強盗などの件数は増えるでしょう。

「治安が悪くなったらどうしよう」と考えても仕方がないので、治安が悪くなることを前提にしておく姿勢が大切です。

その中で、改めて、自分にとって「守りたいもの」を考えてみてください。自分の命、家族、資産など、守りたいものは一人一人違うはずです。守りたいものが明確になると、ノウハウよりも前に「やるべきこと」が見えてくるはずです。

神田正範

犯罪に詳しく防犯を多角的に解説する対話型セミナー講師

防犯コンサルタント

神田正範さん(犯罪予防研究所)

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