アーティフィシャルフラワーを用いたコサージュの作り方。卒園式、入学式の記憶に残るオリジナルアイテムに
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春になると幼稚園では卒園式に入園式、小中学校、高校では卒業式に入学式とフォーマルな着こなしをする機会が増えます。洋服スタイル、和服などのチョイスとともにちょっとした小物で服装を彩ります。アーティフィシャルフラワーを使えば手軽にオリジナルのコサージュが作れます。記憶に残るオリジナルアイテムを作れば、宝物として保管するのも楽しみの一つとなります。
アーティフィシャルフラワーとは
「アートフラワー」や「シルクフラワー」「フェイクフラワー」など、これらを統一した呼び方にしようと、日本で有名なアーティフィシャルフラワーの協会と、東京に本店がある花材メーカーが、2002年に「人工的なお花=アーティフィシャルフラワー」として打ち出し、その名前を世間に広めました。
その後、大手造花メーカーが、これまで製造してきたハイクオリティな造花を「アーティフィシャルフラワー」として販売し始め、次第に一般的な名称として知られていきました。
高価なものになるほど、花びらの微妙な表情やしわがリアルに再現され、色彩も生花のような自然なグラデーションを帯びています。また、茎や葉も本物に近い仕上がりで、そのクオリティーの高さに驚かされます。
洋風、和風タイプもある最近のコサージュ
コサージュとは、女性がドレスや洋服の襟元、胸、肩などに付ける花飾りのことを意味します。結婚式で新郎が胸元に飾る花飾りはコサージュではなく「ブートニア」と呼ばれ、コサージュとはまた異なる意味を持ちます。
コサージュに似たもので、「ブローチ」を思い浮かべる人もいるでしょう。ブローチとは、洋服の胸・襟などに付ける留め針式の装身具のことです。衣服を固定するための実用的な留め具に、装飾が施されるようになったと言われています。
ブローチは、日常的におしゃれを楽しむためのアクセサリーとしてよく使われます。また、女性のみならず男性が身に付けているのもブローチです。形式上は、生花やアーティフィシャルフラワーなどで作られたブローチがコサージュという見方をされることもあります。
コサージュには、さまざまな色や形状のものがあります。参加する行事の雰囲気によって、選び方に気をつかうことが必要です。TPOに応じてコサージュを選べるように、使用シーン別にポイントをまとめました。
入学式・入園式
入学式・入園式はフォーマルで、とても華やかしい行事でもあります。服装に関しては、パステルカラーを選ぶという場合も多いかと思います。コサージュも春らしく、明るく優しい色、淡い色を選ぶのがおすすめです。服の色を問わない薄いピンク色やベージュ、黄色、ホワイト、そして水色、紫などもいいでしょう。
濃い色のコサージュを付けたい場合は、比較的小さいものを選ぶと、パステルカラーの服装を品よく引き締めます。
卒業式・卒園式
卒業式・卒園式は、入学式などと比較して厳粛なイベントです。服装もシックな感じで、よりフォーマルな装いをすることも多いでしょう。こんな時は、コサージュの果たす役割が増します。入学式などと同時期の春に行われるので、季節感も大切にしつつ、上品で控えめなアイボリー、淡いベージュ、薄いピンク、シルバーグレーといった色がおすすめです。
普段のコーディネート
コサージュは、主にフォーマルな祝い事の際に身に付けるものですが、日常的にさりげなく、アクセサリーとして取り入れても素敵です。「コサージュをどのように付けたらいいか」という質問をよくいただきますが、コサージュを効果的に飾るコツがあります。
・鎖骨のあたりに付ける
・左側に付けるのが基本
コサージュを左右のどちらに付けるか迷う人が多いようですが、自分から見て左側に付けるのが一般的です。ただ、好みやその日に飾るコサージュの形により、右側に付けても問題はありません。左側に付けるのとは違う雰囲気を楽しむことができます。ただ、美しく見える付け方は服装などによって異なります。和服の場合は、帯にあしらってもおしゃれです。
アーティフィシャルフラワーを用いたコサージュの作り方
【準備物】
・アーティフィシャルフラワー(コサージュでは、使用する花の数が限られてしまうので、少し高めの花を購入することをおすすめします。また、見栄えがいいものの方が作製しやすくなります。)
・リボン、組紐
・地巻きワイヤーではないシルバーの裸ワイヤー(今回の作品は、#24、26、28番ワイヤー)
使用する花やリボン、組紐によって必要なワイヤーの種類は異なります。ただ、おおよそこれらのワイヤーで作業ができます。花やリボン、組紐にワイヤーを施して、ワイヤーを両手で持ちます。3回程上下に振り、コサージュにあしらうパーツとして、安定した感じがあればOKです。ワイヤーが太すぎると、花を傷めてしまうおそれがあるので注意してください。
・フローラルテープ(ノリ付けされている物)
今回ご紹介している作品を作製する際には、白のテープを用意してください。
ただ、使用する花やリボン、組紐によって、グリーンなどのテープを選ぶ方が良い場合もあります。裏側などから作品を見て、テープだけが目立つことがないよう、なじみやすい色をセレクトしましょう。
・低温の接着剤を使用するグルーガン、グルースティック
・コサージュの台座
初めて作製する場合は、台座の裏側にクリップと安全ピンが付いているものを用意した方が美しく仕上がります。
・ものさし
20~30センチまで目盛りが表示されているものを準備した方が、作製しやすいです。
・はさみ(ワイヤーを切るためのはさみ、紙切りばさみ、あれば裁ちばさみ)
コサージュの作り方(洋風スタイル)
【手順紹介】
① 指先でノリが出ていると確認できる位までフローラルテープを伸ばし、以下の花やリボンを束ねることができる長さになるように指先でカットします。
② 今回ご紹介している作品には、大きさや形状、材質が異なる2種類の花を3輪ずつ使用しています。2種類の花のうち、大きい方の花を束ねてください。指で曲げやすいワイヤーのようなものが花びらの下にある場合は、花びらのすぐ下の曲げやすい箇所を、角度をつけるために曲げます。ワイヤーのようなものがなく茎が付いているタイプは、花びらの下からものさしで測って、1.5センチほど茎を残し、残りの茎をカットしてください。ワイヤーを茎に沿え、巻き付けて固定。フローラルテープを巻いてワイヤーが見えないようにします。この際もフローラルテープを伸ばし、ノリが出ているかを指先で確認し、必要な長さになるよう指先でカットします。
③ ②と同じ要領で、小さい方の花を処理する。
④ ②③の方法で束ねた花を、①でカットしたフローラルテープで巻きますが、指先に力を入れて、少し引っ張るようにして巻いてください。この際、花が抜けないようにしっかり固定しましょう。
⑤ 太い方のリボンを処理します。リボンを必要な長さになるようはさみでカット。リボンの両端を揃えた状態にして、ギャザーを付けてループ状にします。このループ状にしたリボンとワイヤーを上記と同様に固定して、フローラルテープをしっかり巻きます。こちらを4点作製してください。花を束ねたものを上から確認して、リボンがほどよく見えるくらいの長さのループに仕上げましょう。
⑥ 細い方のリボンを処理します。⑤と同じ要領でループ状の物を作りますが、ギャザーは付けません。またワイヤーで固定せずに、ループの内側のリボンの両端をグルーガンで固定します。同じく外側に見えるリボンの端とコサージュの台座を、グルーガンで固定します。こちらを7点ほど作製します。花を束ねたものを上から確認して、リボンがほどよく見えるくらいの長さに仕上げるようにしましょう。
⑦花を束ねたものに、ループ状にした2種類のリボンを組み合わせます。形を整えるためにグルーガンでリボンと花を固定。コサージュの台座に収まるようにワイヤーなどをカットして、フローラルテープを巻きグルーガンで台座に固定します。
コサージュの作り方(和風スタイル)
洋風スタイルのコサージュと同じ方法です。ただ、おしゃれに作るコツがあります。
・カットする箇所により、和を感じる異なる柄のリボンを各々同じ長さになるように5つに分け、上記のようにワイヤーとフローラルテープをあしらいます。
・組紐を各々同じ長さになるよう3つに分けます。この分けた組紐を三つ編みにし、両端と中央にワイヤーとフローラルテープを施して花と合わせてみてください。三つ編みにした組紐を、花やリボンの間からのぞかせるように配置しましょう。同じ種類の、三つ編みにしていない組紐の両端にもワイヤーとフローラルテープを施してください。
・作業時間
個人差がありますが、1つを完成させるのに初心者で1時間ほどです。
洋風、和風タイプに仕上げる花の選び方
【洋風タイプを作りたい場合】
・花
初めて作製する場合は、大きさおよび形状が異なる花を2種類用意した方がきれいに仕上がります。1種類の花につき、3輪準備することをおすすめします。
できれば、花びらの下に指で曲げやすいワイヤーのようなものが付いているタイプを選んでください(茎や葉が付いていない方が作業をしやすいです)。
・リボン、組紐
作りたいコサージュの雰囲気に合う物、使用したいアーティフィシャルフラワーと相性がいい物を用意してください。リボンだけ、または組紐のみでもコサージュを作れます。
オーガンジーのリボンを使用すると、重い感じのデザインになりにくく、使う花との調和が取りやすくなります。
あまり重さがない、2種類の異なる太さ、材質のものを揃えてください。
多くの花を使用しないので、特に初心者の人は、見栄えよく素敵な仕上がりにするためにも、ある程度上質なものを購入する方がよいでしょう。
【和風タイプを作りたい場合】
・花
和を感じるアーティフィシャルフラワーを1輪準備しておきましょう。
・リボン、組紐
和の雰囲気のリボンを選んでください。柄の中に、ある程度の割合で濃い緑色が入っているものをチョイスすると、全体のバランスが取りやすくなります。
和風のコサージュを作製する際には、できる限り多くの色を使用した和柄のリボンと、花の色と一部同じ色の組紐を用意することをおすすめします。
キレイに仕上げる作り方のコツ
花やリボンは、異なる大きさや形状で、色は同系色を揃えてみましょう。例えば、同じピンクでも濃い色と淡い色の物を一緒に合わせると上品な雰囲気になります。白やクリーム、紫、緑いずれかの色をアクセントとして使うと、おしゃれに仕上がります。
簡単に作れるコサージュでおしゃれ度をUP
ハンドメイドに興味を持っていたり、また、これから花を用いた作品づくりをしたいという人に、自分でデザイン、作製して、オリジナルの物を身に付ける喜びを味わっていただきたく、楽をしてキレイにあしらうコツもお伝えしました。入手しづらいレアな情報も、実は含まれています。
ここで、最後に一番重要なことをお伝えします。材料が揃った時点で、作品がきれいに作れるかどうかが決まりますので、しっかりと選んでくださいね。
電気を必要とするグルーガンで作業することもあり、特に子どものいる家庭では、花や材料を誤飲したり、触ってやけどなどのケガをしないよう、置き場所や管理にも気をつけましょう。
金属製のワイヤーやコサージュの台座、金属などを部分的に使用している花なども利用します。アレルギーを持つ人も十分に注意してください。
花の魅力を最大限に生かすアレンジ、ブーケの専門家
四本純子さん(Quatre Muguets(クワトロ ミュゲ) クラフトフラワー教室)
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