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浜崎あゆみが出産後すぐに魅せたパフォーマンスは別次元?ママが人生のステージで輝き続けるためにできることとは?

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出産・子育て・教育

女性トップアーティストの一人、浜崎あゆみさんが極秘出産していたことを明らかにしました。妊娠中はファンなどに気づかれることなくツアーをこなし、出産後の年末カウントダウンのステージも完璧に務めたその姿に、プロとしての意識の高さと超人的ともいえる体力に多くの人が驚かされました。

妊娠・出産の状況は人それぞれに違うものですが、昔から「産後の肥立ちが悪いと更年期に影響がある」「床上げは産後3週間」など、出産後の母体は十分に養生すべきと言われてきました。

昨今は、核家族世帯やシングルマザーが増えたこと、女性の社会進出が進んだこと、そして、それぞれの家族の事情から、産後もゆっくり休めないというママは少なくないでしょう。

ステージに立つまでではなくとも、なるべく速やかに「ハツラツと子育てをしたい」「社会復帰をしたい」「素敵なママと呼ばれる生活を送りたい」と願う女性たちが、浜崎あゆみさんのように華麗な産後復帰をすることは可能なのでしょうか?産後ケアリストの川村美星さんに話を聞きました。

産後1カ月は無理をせず、さまざまなケアプランを活用しながら段階的に社会復帰を

Q: 浜崎あゆみさんは、産後1カ月でカウントダウンステージをこなしたと言われていますが、一般的に産後すぐに日常生活や職場復帰ができるのでしょうか?
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本当のことなら、浜崎あゆみさんのステージ復帰は異例中の異例としか言いようがありません。

昔から「産後の床上げ21日」と言われるように、出産後3週間くらいは一日中布団を敷いたままで、赤ちゃんの世話以外は家族に任せて「産婦はなるべく横になって体を休めなければならない」というのが一般的でした。でも、最近は核家族が増えてきたことで、その習慣はなくなりつつあります。

産後1カ月ほどは、出産という大きな仕事を終えて疲弊した体が徐々に元に戻っていく時期です。人によって違いますが、病院での1カ月健診の結果に問題がなければ、それが日常へ復帰する時期の目安と言っていいでしょう。

出産してからの1カ月間は、ママと赤ちゃんが最も濃密に関わる時期でもあります。というのも、産後すぐの手探り状態から、ようやく授乳サイクルが落ち着いてくるのがこの頃で、落ち着くまでの間にいろいろと試行錯誤することで、母子の間に深い絆が生まれるのです。

浜崎あゆみさんは、「医師や助産師といったプロ集団が万全なサポート体制を敷いたからこそできたこと」と発言されていますが、体調のことより、母子の特別な関係を築く時間を十分に取れたかどうかが気になるところであり、もし取れていなかったとしたら、とても残念に思います。

Q:産後すぐに活動し始めることは、母体にどのような影響があると考えられますか?
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昔から、産褥熱(産後すぐの発熱)やお腹の痛み、頭痛といった体調が長引き、なかなか元の状態に戻らないことを「産後の肥立ちが悪い」と言って、十分に用心しなければならないと言われてきました。

出産直後は体力や抵抗力が落ちているうえ、悪露という分泌物や出血があり、後陣痛とよばれる子宮収縮に伴う痛みもしばらく続きます。個人差はありますが、めまいや息切れ、腰痛、脱毛などの症状が出ることがあります。

仮に痛みや出血が少なく、体を動かすことができたとしても無理は禁物です。赤ちゃんの世話で、これまでとは違う体勢を繰り返したり、授乳による睡眠不足で、後々まで体調不良が続き、さまざまな症状を引き起こす要因にもなりかねません。

産後はホルモンバランスが崩れることにより自律神経が乱れるので、体だけでなく精神的な疲れを引き起こす場合もあります。

Q:出産後も以前と変わらない様子の芸能人と比較して、産後の妻が「夫から心無いことを言われ、つらい思いをした」という声が上がっています。周りの無理解からくることもある「産後うつ」「産後クライシス」とはどのようなものですか?
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疲労や睡眠不足、育児・家事と仕事を両立させることへの不安などが重なり、気持ちが落ち込んでいる状態を「産後うつ」と言い、最近のデータでは10人に1人は発症すると言われています。

特に、「妊娠・出産前とは違う、妻の様子を受け入れ難い」と感じる夫の対応で悪化することが多く、そのままにしていると重症化や慢性化を招く恐れがあります。

前述のように、産後はホルモンの影響で感情のコントロールが効かなくなり、特に理由がないのに唐突に涙が出て止まらないなど、夫や家族が戸惑うような様子を見せることもあります。これを「マタニティブルーズ」と言い、このような状態は多かれ少なかれ誰にでも起こることです。そのうち自然に収まるのですが、周りがこういった状況を理解せず過敏な対応をしてしまうと、本人だけでなく、家族の関係にも良くない影響を与えてしまいます。

それが、産後の離婚につながることもあり、「産後クライシス」と呼ばれています。

例えば、妻が不眠を訴えたときに、夫が「自分も残業をして疲れているのに」などと言ってしまうと、夫への不信感が増大し一気に愛情が薄れてしまいます。
産後、妻が異様な感情の高ぶりを見せたり、イライラしていたら、正論を返すのではなく、「そうだね」と共感してあげればいいのです。

間違っても「なぜ、訳のわからないことを言うのか」とか、「それはワガママだ」などと言ってはいけません。家族が増えて幸せいっぱいのはずなのに、何気なく発した一言により深刻な家庭不和を招き、取り返しがつかなくなることもあります。

Q:産後すぐに日常生活や社会復帰をしなければならない場合、産後うつ、産後クライシスを回避するためには、どのようなことに注意をすればよいでしょう?
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産後、比較的早い時期に社会復帰をすることがわかっているなら、出産前からサポート体制などの情報をできるだけたくさん集めておきましょう。社会復帰当初は、「制度」「サービス」「人」と、頼れるものは全て頼るくらいの気持ちで、少しずつ活動量を増やしていくことをおすすめします。

また、産後の状態の変化について、家族に正しい知識を持ってもらい理解を深めてもらうためにも、行政や病院が開催する「プレママ・プレパパ教室」などに積極的に参加しましょう。

しかし、いくら準備をしていても、産後は予想を超える事態の連続です。思った通りに物事が運ばないことの方が多いと言ってもいいでしょう。

特に第一子の場合、想定外の事態に直面した際の不安を、一人で抱え込んでしまうのはとても危険です。ウエブやSNSに情報を求めすぎることも、返って不安を増大させることになります。

最も有効な手立ては、夫や家族といった親しい人に、その不安を伝えて共有することです。周りの人は、アドバイスするのではなく「傾聴」と「共感」に徹することが肝心です。

Q:産後ママが、なるべくスムーズに体力・気力を回復し、快適に子育てができるようなサポートはありますか?
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自治体によっては、産後の入院に助成金を出す制度を用意しているところもあります。3カ月未満の赤ちゃんならママと一緒に入院できるので、ママは心身を休めながら育児指導を受けることができます。

短期宿泊の「ショートステイ」、日帰りの「デイケア」など、自分のライフスタイルに応じてプランを選べます。費用は自治体によって異なるので、詳細は近くの保健センターに問い合わせてください。

また、産婦人科によっては、産後ケアセンターを併設している病院もあります。そういった施設では、助産師がマンツーマンで母乳や育児の相談に乗ってくれます。

母乳マッサージや授乳指導、赤ちゃんの体重管理、育児相談などのほか、一人一人に合った授乳方法を提案するプランや親子で参加するベビーマッサージ教室などがあります。

川村美星

産後ママの心強いサポーターとしての産後ケアのプロ

心理カウンセラー

川村美星さん(医療法人仁愛会 川村産婦人科)

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