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中学生の夏休み 宿題は7月中に終えよう!学年別・学習のポイント解説

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解決!アスクミー JIJICO

「ゆとり教育」時代より今の夏休みの宿題の量は増えている

日本中が記録的と言われる猛暑となっている中、夏休みがはじまりました。楽しい夏休みですが、中学生のみなさんは、学校の宿題が多いので、気の重い面もあるでしょう。

10年ほど前、すなわち「ゆとり教育」時代とくらべて、今の中学校では圧倒的に宿題の量が増えています。その宿題への取り組みと、夏休み全体の勉強方法について、今回も学年別にお話ししようと思いますが、それに先立って、全学年のみなさんに共通する大切な「目標」を、はじめにお示ししておきましょう。

7月中か遅くとも夏休み前半に宿題を終えよう!

この「夏休みの宿題をいつやるか」は、半世紀近い昔の私の子ども時代、いやそれよりもずっと古くから、子どもたちにとっての大きな課題であり、永遠のテーマと言えるものでした。早くやってしまうのが性に合う人もいれば、「ぎりぎりまで寝かせておいて、最後に一気にやるんだ」という主義主張の人もいるでしょう。私自身も、どちらかと言えば後者に近い方でした。

しかし、このように考えてみて下さい。宿題を早く終わらせることは、「夏休みを楽しくすごす方法なのだ」と。何がなんでも、宿題は最後の3日間にやる!と心にかたく決めている人は、それでもいいかもしれません。でもほとんどの人は、夏休みの毎日を楽しくすごしていながらも、心のどこかに「宿題」の重石(おもし)を感じているのではないでしょうか。

その重石に対抗できるのは、「夏休みの残りの日数」しかありません。つまり、夏休みがはじまって、1日、1日と時間がたっていくよりも、宿題の減り方の方を早くすれば、重石が軽くなっていくのです。そして、宿題全部が7月中、あるいは夏休み前半の8月の上旬に終わったら、あとは宿題の重石から解放されて、充実した夏休みを楽しむことができるでしょう。

このようにして、早くに宿題を終えた人は、そのほかの勉強も順調に進めることができ、2学期に成績を上げるケースが多いです。夏休みを楽しくすごせて、学力もしっかり伸ばせる、「早く宿題を終わらせる夏休み」に、挑戦してみて下さい。

中学1~3年 学年別・学習のポイント

さて、それでは学年ごとの勉強のポイントについて、お話しします。

中学1年生 英語と数学をコツコツ復習することが重要

中学1年生は、まず数学と英語の宿題を、1日に何問ずつ、または何分ずつと量を決めて、コンスタントに解くようにしましょう。たとえば20ページのテキストが宿題で、10日間でやると決めたら、1日2ページです。あるいは朝9時から45分間数学、15分休憩して、45分間英語、という具合でもかまいません(午前中部活動なら、出かける前の15分ずつでもいいのです)。

夏休みの宿題は、ほぼ1学期に習ったことの復習になっているはずです。そして1年生にとっては、数学と英語の復習が、もっとも大切です。またもう一つ、夏休みをだらだらすごさないよう、ある程度規則正しい生活のリズムと勉強の習慣を整えることも重要ですから、このようなスタイルで、勉強と生活の骨組みを作って下さい。

その他の教科の宿題は、また別の時間(午後または夜の1時間など)を決めておいて、その中で順序良く進めて下さい。そして宿題が終わった時、それまで勉強に充てていた時間すべてを遊びに回してしまうのでなく、宿題をやる間に見つかった苦手な部分について、教科書や問題集の解き方を参考にして、くり返し解き、この夏休みの間に苦手を克服できるようにしましょう。

中学2年生 うまく時間を確保して苦手領域の克服を

中学2年生も、1年生と大きな違いはありません。違うのは、先輩たちが引退して部活動での負担が大きくなること(運動部の場合)、勉強の苦手領域が1年前とは比較にならないくらい、増えていることです。

ですから「時間の確保」が、1年生以上に重要となります。また苦手領域の復習、克服も自分一人では難しくなっていますから、それを放置せず、早めに解決することが大切になってきます。

塾に通っている人は、塾の夏期講習での復習を、徹底しましょう。わからない点は、どんどん先生に質問することです。学校で補習授業などがある場合は、それも活用して下さい。いずれの場合も、自分がわからない場所は自分しか知らないわけですから、尻込みせずに、「ここがわからない、ここを教えて欲しい」という「質問」を、どしどしすることが大切です。

中学3年生 中学1・2年と3年の1学期の復習を仕上げておく

中学3年生の大半は、高校受験をひかえた、大事な夏休みですね。運動部の人は部活を引退して、時間がたくさんあるはずです。その時間の使い方に戸惑って、無駄にしてしまうことのないように、中学1年生のところに書いたペースの作り方を参考にし、時間の規模を拡大して、リズムよく勉強ができるようにしていきましょう。

内容としては、やはり1・2年の復習がもっとも重要です。だいたい、お盆休みのころまでに1・2年と3年1学期までの復習をきちんと仕上げ、それから応用問題、発展問題に挑戦するのが、時期としての目安です。難関校志望の人以外は、まだ入試問題の過去問などに手をつける必要はありません(2学期以降に習う単元も入っているからです)。

多くの人の場合、2学期(または後期中間テスト終了段階)の評定が内申点となり、入試(推薦等を含む)の判定のもとになりますから、2学期(後期)に学校の成績を上げられるよう、1学期までの復習を徹底するのがベストです。ですから勉強が順調に進んだら、最後の一週間くらいで、2学期の予習にチャレンジしてみるのがよいでしょう。

「午前中」に勉強のリズムを作れば1日が充実する

以上、宿題をできるだけ早く終わらせる目標と、学年ごとの勉強の仕方についてお伝えしてきました。1年生の時間配分のところでも具体的に書いていますが、1日のうち、朝の時間を有効に生かすことが、長期休暇の毎日のすごし方の中で、大変重要です。午前中がなんとなくすぎてしまうと、一日中だらだら終わってしまうという経験を、多くの人がしているのではないでしょうか。何時から、ということは、それぞれの家庭の状況や体質的な問題もありますから、各自判断すれば良いことですが、とにかく午前中に良いリズムを作り、自分を乗せてしまうことで、成功した人がたくさんいます。参考になさって下さい。

長い休みの間に「書く」ことにもチャレンジしてみよう

最後にひとつ、一年に一度しかない夏休みは、感性が強く刺激される時でもあります。ぜひこの貴重な時に、作文でも日記でも、あるいは読書感想文でも、自分が関心を持てる対象を見つけて(もちろん学校の課題でもいいですね)、「書く」ことの楽しさ、魅力を知っていただきたいと思います。

ふだん苦手な「書く」ことが、たとえ課題がきっかけではあっても、こうした機会に身近になり、魅力を知ることにつながるケースも多くあります。

この貴重な夏休みに、何かを見つけ、実りある時間をすごしていただくことを、子どもたちとともにある立場の一人として、願っています。

小田原漂情

国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師

学習塾塾長

小田原漂情さん(有限会社 言問学舎)

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