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症状が自覚しにくい緑内障 検査方法や治療法を解説

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失明原因第1位の病気「緑内障」

人気アナウンサーの生島ヒロシさんが「これは大変だ。眼圧がすごく上がっている」と今年2月に緑内障の手術を受けて失明をなんとか免れました。

そんな怖い目の病気、緑内障は、目と脳をつなぐ視神経が障害され徐々に視野障害が広がってくる病気です。我が国における失明原因の第1位を占めており、40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障です。日本の少子高齢化に伴って、今後ますます患者さんの数は増えていくことが予想されます。

診断と治療は進歩したが緑内障に気づかず過ごしている人も多い

緑内障があるのにもかかわらず、これに気づかずに過ごしている人が大勢いることも判明しています(疫学調査、多治見スタディ)。しかし最近の緑内障の診断と治療の進歩は目覚しく、以前のような「緑内障=失明」という概念は古くなりつつあります。失明から救えないきわめて難治性の緑内障が存在することも事実ですが、眼科医療の進歩に伴い失明という危険性を少しでも減らすことができるほどになりました。

緑内障の症状・初期は視野障害があっても自覚がない場合がほとんど

症状としては、見えない場所(暗点)が出現する、あるいは見える範囲(視野)が狭くなる症状が最も一般的です。しかし、日常生活では、両眼で見ていますし、多くの場合、病気の進行は緩やかなので、初期は視野障害があってもまったく自覚しないことがほとんどです。視野障害が進行した場合は、視力が低下したり、場合によっては失明することさえありえます。しかも緑内障が恐ろしいことの理由の一つは、緑内障の進行は常に一方通行であり、喪失した視野や視力を治療によって取り戻すことができません。

緑内障の検査は定期的に受信するのがベスト

緑内障を診断したり治療経過の良し悪しを判断するには、定期的な検査が大切で生涯にわたって続けていく必要があります。

(1)眼圧検査

目の硬さである「眼圧」が高い状態が続くと、目の奥についている視神経が障害され緑内障となります。眼圧は10~20mmHgが正常範囲で、20mmHgを大きく超えるような眼圧が続くと、視神経が障害される可能性が高くなります。しかし、眼圧が正常でも緑内障になるケースがあり以下に述べる他の検査も大切です。

(2)眼底検査

視神経の眼球の出口(視神経乳頭)には、小さなくぼみがあり、緑内障ではこのくぼみが拡大します。健康診断などでは、よく「視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい)」と判定されます。眼底検査は少しまぶしいことはありますが、痛みなどはありません。

最近では、光干渉断層計(OCT)などの三次元画像解析装置を用いて視神経乳頭や網膜の神経線維の厚みを測ることにより、緑内障をより適確に診断できることが増えています。

(3)視野検査

見える範囲を調べる検査です。特殊な機械の前に座って、小さな光が見えるか見えないかでボタンを押します。30分近くかかる面倒な検査ですが、緑内障の進行具合を判断するために、最も重要な検査です

緑内障の治療方法

(1)薬物療法

緑内障には薬物療法が治療の基本となります。一種類の目薬だけで効果が少ないと判断された場合は、複数の目薬を組み合わせて処方されます。目薬は病状を維持するためのものです。症状が改善しないからといってやめてしまわず、長期的に根気よく続けていくことが重要です。

(2)レーザー治療

主に二つの方法があります。一つは、虹彩(いわゆる茶目)に孔を開けて、眼内の房水の流れを変えるというもので、急性発作の緑内障がこの方法によって治療可能です。もう一つは、線維柱帯に照射することで房水の排出を促進するためのレーザー治療です。

(3)手術

薬物療法やレーザー治療が功を奏さなかった場合に行われる治療です。大まかには、房水を眼外に染み出すように細工をする手術と、線維柱帯を切開して房水の排出をたやすくしてやる手術の二つがあります。

手術をしても症状が改善するのではなく、あくまで眼圧を下げて進行を食い止めるのが目的です。緑内障の手術方法は年々改良が進み、治療成績もかなり改善されてきましたが、合併症もありえますし、術後に再手術が必要となる可能性もあります。急性発作の緑内障の場合、白内障手術も有効です。白内障手術で元の水晶体を厚みが薄い眼内レンズに交換するために、隅角が開き、急性発作は起きなくなります。

以上、今回は緑内障の症状、検査方法と治療法について解説しました。眼科の検診は普段受けられていない人も多いかもしれませんが、定期的な検査を受けておくことでもし緑内障であることがわかっても、早期の治療が開始できます。

近視・老視矯正・白内障手術のプロ

田川考作さん(小矢部たがわ眼科・金沢視力矯正レーザーセンター富山)

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