ブラックバイトから身を守るためには?見極め方・対処法
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なかなか減らない「ブラックバイト」、どんなバイトか特徴をチェック
違法・過酷な労働により労働者を使いつぶす企業を指す「ブラック企業」やそのアルバイト版である「ブラックバイト」という言葉が最近は当たり前のように使われています。
ブラック企業・ブラックバイトは少し前から社会問題化し、政府も過労死等の防止に関する対策を講じるようになってきましたが、それでも勤務問題を原因の一つとする自殺や過労による労災の件数は高止まりになっています。ここからも、ブラック企業やブラックバイトの問題が解消していないことが明らかです。
特に近年では、非正規雇用の増大に伴い「ブラックバイト」の問題が大きくなってきています。そこで、今回はブラックバイトから身を守るためにどうすればいいか、を解説します。
ブラックバイトを提唱された大内裕和教授の定義では、
- (1)法令違反の疑いがある
- (2)勤務を断れないなど労働環境が悪い
- (3)バイトに求める仕事(責任)が正社員並み
というのがその特徴になります。
例えば、(1)については最低賃金以下の時給であるとか、給料や必要な割増手当を支払わない、⑵は病気や学校の試験でバイトに行けない日でも代わりが見つかるまでは休めない、⑶については些細な仕事のミスの責任を取らされる、などがあります。
近年では、アルバイトの学生が数ヶ月無休で働かされ、従業員から暴力も振るわれていたの事例というものもありました。この事例は店長や従業員が刑事罰をうけるとともに、運営会社に対して訴訟が提起され、会社が責任を認める形で解決しています。
「職場の雰囲気」「他のスタッフがすぐ辞めているか」などから見極める
このようなブラックバイトから身を守るためにはどうすればいいでしょうか。
アルバイト先がブラックバイトかどうかを見極める方法としては、まずはそのバイト先の雰囲気をよく見る必要があります。
仕事の内容が求人内容と違うとか、シフトどおりに休めないなどはもちろん、ほかのアルバイトや従業員が長続きせずどんどん辞めていくと言う場合には、何かしら問題がある可能性を疑った方がいいでしょう。
始めたバイトがブラックだったら?適切な対処法をおさえよう
バイトを始めてからブラックでは、と思った場合の対処としては、できれば体を壊す前に辞めてほかのバイトを探すことが一番です。
ブラックバイトの事例では「辞めさせない」「辞めるなら賠償金を払え」と言われることがいくつも報告されていますが、退職については法律や就業規則の定めに従い予め届け出る必要はありますが、会社の了承は必要ありません。
また、会社に罰金や賠償金を払う必要もありません。なお、会社に労働基準法違反がある場合や、事前に説明された労働条件と実体が異なる場合には、即時に退職することもできます。
それから、休みの日に出勤を求められても応じる義務はありません。また、労働基準法では原則として連続した7日間のうち1日の休みを付与する必要があります。法律が定める休みが無い場合には労働基準監督署に相談して是正を求めてください。
さらに、バイト代の未払いや割増賃金の未払いという問題もあります。これについては、働いた時間を正確に記録しておくことが重要です。記録の方法としてはメールのタイムスタンプ機能を利用するなど、いろいろな方法があります。
おかしいな、と思った場合には早めに弁護士に相談された方がいいでしょう。
労働に関する法律を知っておくと身を守ることにつながる
ブラックバイトやブラック企業から身を守る方法として最も大切なことは、労働者がきちんと労働基準法等の法律を知っておくことだろう、と思います。
労働法というと難しい印象もありますが、最近は有志の弁護士で組織する「労働弁護団」や「ブラック企業弁護団」などが、わかりやすい説明をした記事やなどもあります。
労働法を知っておくことでブラック企業やブラックバイトを見抜くことができ、また「おかしい」と思ったときに対処ができるようにもなります。特にこれから社会に出る高校生・大学生などの若者には、労働法に関心を持って頂きたいと思っています。
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