シェアリングエコノミーでシニアが生きがいを持って働くには?
シェアリングエコノミーとは?
総務省のホームページで、「シェアリングエコノミー」とは、「典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用による収入、借主は所有することなく利用ができるというメリットがある」と定義されています。
つまり、形に見えて分かりやすいものとしては、自宅の余っている部屋を民泊として貸し出す、自身の所有する車を空いている時間にタクシーとして貸し出す(日本では一部の特区のみ許可)があります。形に見えないものとしては、自身の空いている時間に家事や育児を代行する、などがあります。
また、仲介はネットを介して行われます。シェアリングエコノミーが広がっている背景には、スマートフォンなどが普及したことで、インターネットを利用して誰でも簡単に仕事を得ることが可能になってきたことが挙げられます。
今後のシェアリングエコノミーの展開
日本の場合、解雇しにくい労働法制のため、逆に定年があります。ある一定年齢に達すると、強制的に退職せざるをえなくなります。一般的には60歳定年、65歳まで嘱託という会社が多いのではないでしょうか。そうすると65歳で、まだまだ元気で働きたい、と思っても強制的に退職させられて仕事を続けられなくなってしまいます。
しかしながら、少子高齢化の進展により、労働者不足が顕在化してきています。今までは、退場させられていた高齢者や、育児・介護により家庭に入っていた主に女性を上手く活用していくことが社会的にも求められています。
そんな中、シェアリングエコノミーは、大きな可能性を秘めています。高齢者や育児・介護中の方に限らず、政府は「働き方改革実行計画」の中で、今後、兼業や副業を積極的に推進していく、とあります。兼業・副業を通じた創業・新事業の創出や、中小企業の人手不足対策のためとのことです。
長時間労働が是正されていくことで、残業代を稼ぐことができなくなったり、持て余す時間ができたりしていくことも予想され、兼業・副業をしたいという方が増えていき、ますますシェアリングエコノミーは発展してくでしょう。
生きがいを求めて
経営学の神様「ピーター・ドラッガー」は、どんなに趣味や遊びが充実しても社会に貢献しているという実感を得られなければ人生が充実することはない、と言っています。
そういう意味でも、65歳で社会から強制退場はまだまだ早いでしょう。今まで培ってきた知識や技能を登録し、仕事を得て、それによってその知識や技能を社会に還元すべきです。
今まで専業主婦だった方にとっても、家事というプロフェッショナルなことをしてきたのですし、ちょっとした余った時間を活用するのも良いでしょう。シェアリングエコノミーを利用して仕事を得ていくことが生きがいとしても望まれます。
ただ、シェアリングエコノミーは、個人間取引となるため、トラブルへの対応に対する不安があり、二の足を踏む方もおられます。政府は、このような不安を解消するための法整備や相談機関を設けるなど、対応策を早急に構築することが求められます。
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