終電延長がアルハラを助長する?
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終電延長がサラリーマンにもたらす負の側面
東京都、東京メトロ、国土交通省が7月30日に開いた「東京の地下鉄の運営改革会議」の初会合によって、東京メトロと都営地下鉄の終電時間の延長を検討することを決めました。JR山手線などにあわせて深夜1時近くまで地下鉄の終電が延長されれば、ターミナル駅の利便性が向上する一方で、地下鉄トンネルの保守点検時間を深夜に十分確保できるかどうかといった課題も残っており、今後議論を重ねていくことになっています。
終電の延長がサラリーマンに与える影響を考えると、「終電なので帰ります」と言っていた時間が今までより遅くなれば、その延長分だけ残業が長くなる可能性はあるでしょう。さらに、仕事関連の飲み会の終了時間が遅くなることも予想されます。ただでさえ「会社の飲み会に行きたくない」と思っている人には大きなデメリットです。特に若手サラリーマンにとっての会社の飲み会は、上司から説教をされたり、日頃の指導をされたりするだけで気分の良くないものが多いようです。「仕事が終わってまで上司と関わりを持ちたくない」というのが彼らの本音でしょう。
アルハラを受けないよう自己防衛を
お酒を飲んでいる時間が長くなればなるほど、上司の酔いも深くなり、飲めない部下や若手社員に同じように飲むことを強要する恐れが出てきます。このような行為はパワーハラスメントに該当し、アルコールが絡む嫌がらせはアルコールハラスメント(アルハラ)と呼ばれ、過去には死亡者が出たこともあり実際に社会問題化しています。
もちろん、すべての企業において終電の延長がアルハラを助長するわけではありません。しかし、組織で働いている以上、上司との飲みの付き合いは避けられないため、遅い時間まで一緒に飲み歩く機会が今より増えるかもしれません。サラリーマンは環境の変化に柔軟に対応して、アルハラを受けないように自己防衛することが求められます。
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