歯の健康は寿命にも影響を及ぼす 健康な歯を残すためにすべきこと
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健康な歯が多いほど健康寿命は長い
歯の健康と寿命の長さについては昔から言われてきましたが、高齢者では残っている歯が多いほど健康寿命が長く、要介護期間が短いとする研究結果を東北大歯学研究科の松山祐輔・歯科医師が発表しました。
年齢を重ねても健康な歯を残していくために、今から何をすれば良いのでしょうか?
健康な歯を残すための5つのポイントについて紹介していきます。
1. 口腔清掃の正しい知識を知る
お口の病気と言えば、虫歯や歯周病が挙げられると思いますが、それらの疾患の本当の原因が歯垢(プラーク)と呼ばれる、細菌の塊であることを知っている人は多くありません。大抵の方が、食べカスが悪いと思っており、その為に食後に歯を磨くのが社会通念になっていたりします。
しかし、歯垢は食事をするしないに関わらず、お口の中でじわじわと増えていきます。この歯垢を一日に一回以上お口の中の隅から隅まで取り除くことが、実は口腔清掃において一番大切なことなのです。
健康な歯を残す為には、まず、このことを徹底しない限り、名医からどんなに高品質な治療を受けても、お口の疾患は再発します。
2. 自分のお口にあった清掃用具の使い方に習熟する
お口の中の歯垢(プラーク)を一日に一回取り除くことの大切さを上記で述べましたが、その為には自分のお口の中を清掃するのに適した清掃用具(歯ブラシ、糸ようじ、歯間ブラシなど)を選択し、その扱い方に習熟する必要があります。
よく「うがい薬でうがいをしているから大丈夫」というような、誤った知識をお持ちの方がいますが、お口の中の歯垢(プラーク)は細菌同士や歯としっかりくっつけるように粘り気のある物質で覆われています。また、その物質がバリアのような働きをする為、いくらうがいをしても、薬効が内部にまで及びません。
ですから、清掃用具で物理的にこそぎ落とすのが、最善の方法になるのです。
しかし、そのことを実践する為には、歯科医師、歯科衛生士など専門家からアドバイスしてもらうしかありません。自分のお口の中の隅から隅までは、自分の目では見えないからです。
3. 疾患を放置しない
虫歯にしても歯周病にしても、状態が悪いのにそれを放置することで、病態が進行し取り返しのつかないことになることが良くあります。例えば、虫歯は一本も無いか、一本以上あるかによって、虫歯のなりやすさのリスクが全く変わってきます。
基本的に細菌感染症なので、一本でもあれば、その歯をベースキャンプにして、お口の中に虫歯菌がどんどん産生されますので、他の歯も虫歯になりやすくなってしまいます。歯周病も同様に考えて頂いて良いと思います。
それ以外にも歯が抜けた所を放置すると、お隣の歯やお向かいの歯がその隙間を埋めるように動いてきて、結果的にかみ合わせが狂い、お口の中の状態が悪くなるのに拍車がかかってしまいます。
虫歯にしても歯周病にしても、ならないのが一番理想的ですが、もし、なってしまったならばその事実を受け入れて、信頼できる歯科医院を訪れ、状況が悪化しないうちに適切な処置をお受けになることが、健康な歯を残す為には必要なことだと言えます。
4. 定期的にプロフェッショナルのチェックを受ける
歯科の疾患の特徴は、悪くなり初めに、痛みなどの症状が現れることが少なく、気付きにくいということが挙げられます。虫歯は初期の状態では痛みを感じませんし、歯周病も英語で「音無し病」と言われるほど、気付かない内に悪化する病気の代名詞のようになっています。
更に、咬みあわせも、精神状態や生活習慣、悪習癖などの影響で変化することが度々あります。そのことが顎の関節の不調の誘因になったり、一本の歯に集中的にダメージを与えたりしますので、痛いところや気になるところがたとえなくても、定期的に信頼できる歯科医院でチェックを受けることが、健康な歯を残すのにかなり有益だと思います。
5. 食いしばりや歯ぎしりなどの悪習癖を改善、もしくは対策をする
知らず知らずのうちに、歯を食いしばっていたり、夜寝ている時に、激しく歯ぎしりをしていたりすることがありませんか。これらは、お口の中だけに原因があるわけではなく、全身のストレス解消の為になされていたり、ただの悪癖としてやってしまっていたりします。これらが歯に与える影響は結構大きく、歯をすり減らしたり、揺らしたり、歯の周囲の骨を溶かしたりします。
こういう悪習癖もお口の中にその兆候があらわれますので、歯科医院で指摘を受けたら、何らかの予防策、改善策をとられることが大切です。
以上、5点について、健康な歯を残す為のポイントを記してみました。
食べる、笑う、話すなど人間が幸せに生きる為に必要な「歯」を生涯にわたって大切にし、健康寿命のみならず、幸福寿命を延ばしていただければと思います。
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