仕事でパニックに!ミスで頭が真っ白になった際に落ち着く方法は?
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仕事のミスに過剰に反応して頭が真っ白になりパニックになってしまう
仕事でミスをした時などにパニックになったことはないでしょうか?「思考が停止して頭が真っ白になり、どうしていいかわからなくなった」「おどおどして身動きがとれなくなり、ますます状況が悪化してしまった」こんな体験をしたことがある人もいるでしょう。
どんな人でも、大小の程度の差こそあれさまざまな間違いや失敗を繰り返しながら生活をしています。特にビジネスシーンにおいて、日々問題なく業務をこなしている人はいないはずです。予期せぬトラブルにみまわれながらも、それらに対処しつつ生活をしていることと思います。
ミスやトラブルが起きた時、落ち着いていかに対処するかを考えたり、同じことを繰り返さないように自身の教訓にするなど、前向きに考えて仕事をしていければそれにこしたことはありません。
しかし、パニック状態に陥ってしまった時にはミスを悲観的に捉えてしまうことが多いでしょう。上司やクライアントに叱責されたり、さらに深刻な事態を想像したりして不安や恐怖で心が支配されてしまいがちです。一度、パニック状態に陥ると、精神的に落ち着かなくなり、そこからなかなか脱出できなくなります。
ではなぜ、トラブルやミスにパニック状態になるほど過剰反応してしまい、心や感情が揺らいでしまうのでしょうか?パニック状態に陥りやすい原因はあるのでしょうか?
心の落ち着きを失いパニックになる人の特徴は?
パニックに陥ってしまう人の特徴としては「完璧主義過ぎる」「自己肯定感が低い」「マイナス思考」「二極思考」などが考えられます。
「失敗=悪いこと」「失敗する人=ダメな人間」というような思い込みで自分を責めたり、また失敗するのではないかという不安や恐怖で萎縮して動けなくなったりします。否定的な気持ちに心が支配され、消極的になってしまうのです。
そのような状態を目にすると、周囲はその人に任せておけなくなってしまいます。当人の代わりに問題に対処するなど周りの人の負担が増え、ミスを起こした本人はさらに責められる要因を作ってしまったと悔やみ悲観的になってしまいます。
しかし、多くの場合、周囲はトラブルやミスを発生させてしまうことよりも、それに適切かつ的確に対処してもらえない時に怒りやストレスを感じると思われます。パニックにならず、ミスやトラブルに冷静に対応してもらうことをまわりは期待しているのですが、自分自身で前向きにとらえることができず深く沈んでしまう傾向にあります。
パニックになるのは幼少期のトラウマが原因のことも
「間違えたりミスをしたりしたらやり直せばいい!」
言葉で言うのは簡単ですが、現実に頭が真っ白になったりパニックになってしまったりする時は心の中ではどんなことが起こっているのでしょうか?ここでひも解いてみましょう。
みなさんは幼い頃に、間違えたり危ないことをして、親や大人たちに注意を受けたり叱られたりしたことがあると思います。そんな時、もう一度やり直そうと手を出したり、違うことをしようとして
親などから
「もう危ないからじっとしていなさい!」
「あなたがやるとろくなことにならないからやらないで!」
「お母さんがやるから手を出さないでちょうだい!」
そんな風に言われたことはないでしょうか。
この「何もさせてもらえなかった」「考えて動くことを阻止されてしまった」という体験が、大きなトラウマとなってしまうことがあります。
「親や大人から一方的に言われ、自分で考え動くことができなかった」というトラウマによって、何かミスを犯したりトラブルに遭遇してしまった時に、「自分で考えてはいけない、行動してはいけない」「自分は何もしない」という思い込みが無意識に刻み込まれ、問題に対処することができなくなってしまうのです。
子供の頃のそういった記憶や思い込みが大人になった今も残っていると、仕事の場面でも無意識に同じ状況が思い出され、自由に考えることや行動することができなくなってしまいます。その結果、無意識に思考をストップさせてしまい、問題に対処するために冷静になって次の行動を考えたり、実際の行動に移すことができなくなってしまうのです。
これは一例ですが、一度や二度でなく、頭が真っ白になりパニックになることが多いと感じるのであれば、幼少期のトラウマが原因になっているかもしれません。
パニック障害とその原因について
「パニック障害」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。「ミスやトラブルを起こしたときにパニックになってしまう」と悩んでいる人の中には、「私って、もしかするとパニック障害では?」と思っている人も少なくないでしょう。
パニック障害が起こる原因は、不安や恐怖に関係している神経伝達物質「ノルアドレナリン」と、興奮を抑える神経伝達物質「セロトニン」のバランスが崩れるためと考えられています。
そしてパニック障害の特徴は、
・電車やバスの中など閉鎖的で逃げ場のない空間
・大勢の人の前など人の注目を集めたり緊張したりする場面
・体調が悪い
上記のような場面、状況のときに強い不安や恐怖を感じ、過呼吸や呼吸困難、めまいといった発作を起こします。パニック障害は環境、体調によって引き起こされ、身体的な症状や精神的な動揺として現れるのです。
さらに、一度発作を起こしてしまうと、「また同じように発作が起きるのではないか」という不安や恐怖がさらなる発作を誘発し、直接的な原因がない状況下でも頻繁にパニック発作が起こるのが特徴といわれています。そのため、パニック障害を持っている人は、パニック発作が繰り返す負のスパイラルにも苦しめられることになります。
パニックになる人とパニック障害の違いは?
仕事のミスなどで頭が真っ白になったり何も考えられなくなったりするのは、原因がはっきりしています。つまり、予想外のことが発生して大きな壁に直面した時です。
そのような意味では、パニック障害のようにめまいや呼吸困難などの身体的な症状を伴うことが少ないのではないか、そしてパニック障害とはちょっと相違するのではないかと思われます。
しかし、「心の中の不安や恐怖が強くなる」といった精神的なストレスでは、似ている点があると言えるでしょう。
自分の考え方のクセを変えることが大切
仕事でパニックになってしまうのは、これまで述べてきたように、完璧主義、マイナス思考といった性格に起因するほか、幼少期のトラウマが原因として考えられます。これらを踏まえたうえで、「頭が真っ白になったときにどうすればいいのか」ということをお話しします。
そもそも人はミスをする生き物です。また、仕事にミスやトラブルは付きものです。これらに対応する方法はありますし、挽回する余地はいくらでもあります。一度や二度のミスでクビになったり、人生が終わったりするわけではありません。日頃からそんな風に考えるクセを身につければ、心の重しが少し軽くなるかもしれません。
また、想定しうるミスやトラブルは起こる前から「こんな場合にはどう対処したらよいか」「こんな時は誰に相談するのが一番良いか」「信頼できる上司や仲間は誰か」など、もしもの時のシミュレーションをして、問題に対処できるという自信を付けておくことも大事です。
仕事のミスで頭が真っ白になった時に落ち着く方法とは?
そうは言っても、いざミスやトラブルが起こると、冷静にうまく対処できないかもしれません。万が一、頭が真っ白になったりパニックになってしまったりした時は、意識が「今ここ」ではなく、過去の記憶や自分だけの世界にいってしまっていることが考えられます。
そんな時は、目をつぶり大きく深呼吸して、冷静に今の自分と現実を確認しましょう。周囲を見渡して、今いる自分の場所を確認したり、自分の身体を触って現実とコンタクトしたりしてみましょう。よく、「これは夢じゃないよね?」と身体をつねったりするのと同じです。パニックになってしまった時は、現実を確認し気持ちを落ち着かせることが大切です。日頃から、このような習慣を身につけておくことをおすすめします。
そして、少しずつ冷静さを取り戻すことができたら、今の状況を整理して、自分は何ができるのか、何をしたらよいかを考えましょう。助けが必要な時は一人で抱え込まず、素直に周囲にサポートを求めて頼ることも必要です。
自分のミスでトラブルになってしまったとしても、いきなり信頼が失われることはありません。むしろミスやトラブルにどう向き合ったか、どのように対処したか、その姿勢が信頼をアップさせることもあります。
失敗や間違いのない人はいません。完璧な自分を手放して、ミスを許容できる心の余裕を育てていきましょう。
まとめ
人はミスをするものです。そして、ハプニングは起きるものです。
起きてしまったことを嘆くよりも、「これからどうすべきか」を考えるようにしましょう。反省をして今後に生かすことは大切ですが、「ああすればよかった」「こうしておけばよかった」と後悔し、自分を責めるのはよくありません。その状態では自分自身の思考にとらわれ、先に進むことができません。
また、焦りや恐れがあると心が委縮して動けなくなるものです。現状を冷静に受け止め、まわりに助けを求めることでパニックから解放され落ち着きを取り戻すことができるはずです。
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