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外反母趾を改善、予防する歩き方や姿勢を紹介!靴選びのポイントも

カテゴリ:
美容・健康
キーワード:
外反母趾
{外反母趾の改善、予防の秘訣1}

その痛み、外反母趾ではないですか?

ハイヒールを履くと足が痛くなる…。
ランニングを始めたら、足の指が痛くなってきた…。
偏平足気味になって、足の先が変形してきた…。

このような「外反母趾痛」の症状で悩む人は多いのではないでしょうか?対策グッズや改善エクササイズなどが多数ありますが、それらの対策をしても靴を替えてもあまり改善しない人が多いのも事実です。「自分の足の痛みは外反母趾のせいなの?」「外反母趾という言葉はよく聞くけれど、具体的にどのような状態?」という人のために、外反母趾について解説しましょう。

母趾(ぼし)とは、足の親指のこと。母趾の付け根の関節が人差し指の方向に「くの字」に変形したものを「外反母趾」と言います。 もともと母趾の関節は人さし指の方に曲がっていますが、一般的に20度以上曲がった状態になると外反母趾と呼ばれます。さらに40度以上の曲がってしまうと、重度の外反母趾と判断されます。

外反母趾は初期の段階から痛みを伴います。足の親指の付け根が外側に突き出てしまうと、靴に擦れて痛みが生じるため、スムーズに歩くことができなくなります。痛みを感じることから足や指をきちんと使うことができず筋力が低下し、扁平足になり外反母趾を悪化させるという悪循環に陥るケースもあります。関節が脱臼するほど外反母趾が重症化した場合は、手術が必要になることもあります。

外反母趾の原因は良くない姿勢と歩き方にあった

なぜ外反母趾のような変形や痛みが起きるのか? 外反母趾の原因としていろいろな要素が考えられます。遺伝からくるもの、または肥満による体重負荷、ハイヒールなど幅の細い靴による負担など、足に過剰な力が加わることで外反母趾を引き起こすと言われています。

また、大きな原因のひとつに足のアーチの低下があります。「足のアーチ」とは、足裏にある弓なり状の部分のことで、骨と筋肉などから作られていて人間の体重を支えています。
運動量が不足したり、過度なスポーツによるストレス、サイズが合っていないなどの間違った靴選び、妊娠や老化によってアーチが崩れることがあります。
アーチが崩れると足にかかる衝撃を和らげることができず、疲れやすくなります。ダイレクトに衝撃が伝わると膝や腰にも負担が生じるようになります。

そして、アーチを低下させる原因が「姿勢」「歩き方」にあるということが、実際に症状が出ている人のトレーニングをすることでわかってきました。外反母趾になりやすい歩行姿勢として「体を前に預けながら前に進む」という特徴が見られます。

かかとの高い靴を履く女性に多いと言われている反り腰が、前傾姿勢になる要因のひとつです。反り腰とは、腰のS字カーブがきつくなり、おしりが後ろにでっぱる状態のことです。おしりを後ろに突き出して立ってもらうとわかりますが、この状態では上半身、胸のあたりが前方に出て前のめりの姿勢になってしまいます。
反り腰になっていると、歩行時に足が地面に着地する瞬間、重心がつま先に載ってしまう傾向にあり、重心がつま先にのることで体が前に傾いてしまいます。

本来、片方の足を前に踏み出し地面に着地させたとき、体は前方でも後方でもなく2本の足のちょうど間にあることが望ましく、前に出した足のかかとと、後ろの足のつま先に重さを感じることが理想です。

上半身の姿勢がどうなっているかで足への負担が変わってくる

外反母趾を改善する最も大きなポイントは、どこにあるのでしょうか。土踏まずや足首周りなどの筋力アップも必要ですが、実は足の周りより重要な部分は「背骨」です。足のアーチが崩れる原因として「姿勢」を取り上げましたが、背骨も姿勢に影響します。背骨の大きな役割は、体を支える「支持機能」、体を動かす「運動機能」、神経を守る「神経保護機能」の3つです。背骨が体を支えているからこそ、立ったり座ったりの動作ができるのです。

背骨は1本の骨ではなく、24個の椎骨というブロック状の形をした骨が積み重なって構成されています。上から順番に7個の頸椎、肋骨についた12個の胸椎、数に個人差は認められるようですが8割の人に5個ある腰椎、そして一番下の大きな骨・仙骨からなります。正面から見た背骨は基本的にまっすぐですが、横から見るとややカーブしています。頸椎と腰椎は前に、胸椎は後ろにカーブして、横から見た時にSの字を描くようになっていれば理想的です。ところが、人によってその形が大きく崩れていることがあるのです。
先にも述べたように、腰を後ろに反らせ胸を張っているような姿勢では、足先に体重がかかりやすくなります。足の上にどのように体を載せているかはとても重要で、足に対しての体重のかかり方が違ってきます。

外反母趾を改善するために、まず大切なのは姿勢です。姿勢を正しく背骨を「S字」に整えることが必要です。まっすぐ立って下を向いて、自分の足の甲や足の指が体で隠れる人は要注意と言えます。

外反母趾の痛みは姿勢の改善で緩和、予防もできる!

外反母趾の原因として最も大きい「足への衝撃」は「姿勢の改善」により緩和を目指すことができます。より高い位置へ体を持っていく意識を持つことがポイントです。
では次の動作で確認しましょう。

① 肩幅くらいに軽く両足を開いて、両手をバンザイの状態まで高く上げます。
② そのままの状態でお腹を上下に伸ばし、骨盤と肋骨を遠ざけるようにしてください。
③ 腕を上げたまま、その場で足踏みをしてみましょう。
④ 腕を下げて、わざと骨盤を落として足踏みをしてみましょう。

では、③と④の状態を比較してみてください。足裏の感触はいかがでしたか?ほとんどの場合、足裏に受ける衝撃に違いがあることがわかるはずです。伸びをした③の方が、足裏と接地面の衝撃をソフトに感じるのではないでしょうか。

どちらの姿勢がいいのか、もうおわかりだと思います。③のお腹を伸ばした状態が、外反母趾の改善に有効です。つまり地面から骨盤までの位置が大きく関係していて、お腹を上に引き伸ばすことで骨盤の位置も引き上がり、地面から距離が取れます。すると足は本来の長さをフルに活用できるようになります。足がある程度伸びたところで着地するので、衝撃も柔らかくなるというわけです。一方④のように骨盤が落ちた状態では、足は伸びきれないまま着地するので強い衝撃を受けてしまうと考えられます。

正しい姿勢で歩くことが外反母趾の痛みの軽減につながる

外反母趾の場合でも実際に痛みが出るのは、歩いたり走ったりしている時がほとんどだと思います。歩く、走るといった動作は足に強い負荷がかかります。自分の体重で足のアーチがつぶされてしまい、靴の中で足が広がり、圧迫されて痛くなるのではないかと考えられます。

お腹を伸ばして背骨をS字にするなど正しい姿勢に整えることができたら、歩き方を見直すことが大切です。足に負担をかけない歩き方、走り方をマスターしましょう。簡単に言ってしまえば、美しい姿勢を保ちそのままに前へ進めば、足への負担は減少します。背骨がS字のままの歩行を習得すれば、足の痛みはほどなく改善するはずです。

「正しい姿勢を左右の足に交互に載せ換えること」が正しい体の移動であり歩き方

直立の時は両足で体を支えていますが、歩くときは多くの時間を片足で支えています。整えた上半身の姿勢を「左、右、左、右」と左右の足に交互に、そして均等に載せ替えながら進むことを心がけましょう。

イメージとしては、足を使って歩くというより、足の上を体が進んでいくような感じです。足だけが先に行ってしまうと体は足の上に載らなくなります。足と一緒に体も前へ進めるつもりで一体化させましょう。足や体がとても軽くなったような感覚で歩けるはずです。体に負担をかけない、本来の歩き方ができるようになると、姿勢も歩行スタイルもしなやかな印象に変わるのではないでしょうか。

外反母趾を緩和する歩き方「腕をうまく使って歩いていますか?」

体から離した位置で腕を横に振って歩いたり、前後に大きく振っていると、体はどんどんねじれてしまいます。また、バッグを片方の手に持ったり肩にかけたりするせいか、空いている腕だけを振って歩いている女性をよく見かけます。気がつけばスカートの中心がズレていたという経験はありませんか?これでは左右のバランスが崩れてしまいます。

ほとんど腕を振らずに歩いている人を見ると、猫背である場合が多いです。腕をうまく使って、振り方を整えると歩行の負担も軽くなり歩く時の印象も変わります。腕振りに関しては、肩甲骨を寄せ、肘を後へ引くよう推奨しているところもありますが、私はこの動作をすると、「腰反り姿勢→重心が前ぎみの姿勢」になってしまうと考えます。

腕を振るなら前に振るべきです。腕は肩から振るのではなく、胸のあたりを左右にツイストして腕を振る(でんでん太鼓のような力で腕を振る)方法がベストではないかと思います。そうすることで、体幹部の動きを使った全身の連動運動になります。本来の基本に忠実な歩き方に戻して、長年の悩みをぜひ解消してください。

外反母趾の人におすすめしたい靴選びのコツ

外反母趾だと感じている人も、外反母趾と診断されてしまった人も、そして外反母趾を予防したいという人も、痛みが生じない靴選びが大切です。「足の指をしっかり使って歩ける靴を履くこと」などとよく言われますが、「足に合った靴がなかなか見つからない」といった悩みを持つ人も多いでしょう。またTPOにより、さまざまなタイプの靴を履くことが求められます。

【靴選びのポイント】

・ かかとから中足部(足の指の付け根あたり)にかけてのフィット感を確認。ここがゆるい靴はNG。
・ 足の甲をひもやマジックベルトなどでしっかり締めて固定できるタイプ。
・ 足先にゆとりがあって、歩行中の指の動きを邪魔しない形状。
・ 外反母趾の箇所にやさしい天然皮革のもの。

【パンプス選び】

女性の場合、仕事でパンプスを履くこともあるでしょう。また、冠婚葬祭などの正装に合わせるとなると、歩きやすさだけを優先するというわけにもいきません。つま先の細いタイプは、外反母趾の痛みを引き起こす可能性があります。スクエアトゥやラウンドトゥのように、つま先が四角い形や丸みのあるデザインを選ぶようにしましょう。ヒールも安定感を重視して、低めで太いパンプスを試してみてください。

【ビジネスシューズ選び】

男性は仕事の時に革靴を履く割合が高く、外反母趾の人にとっては負担も大きいことでしょう。今風のタイプは先端が細く、かなり無理を強いられるデザインです。かといって足を圧迫しない幅広な靴を選べばいいいうわけではありません。余裕があり過ぎても、靴の中で足がずれやすく、かえって圧迫されてしまうこともあるからです。ひも付きの調整可能な革靴を選び、外反母趾であることを意識した入念なフィッティングをおすすめします。

【スニーカー選び】

ヒールがなくてクッション性の高いのがスニーカーです。外反母趾の場合にも比較的負担なく歩けるので、通勤時だけ愛用しているという人もいます。ただし中には先が細めのタイプもあるので、外反母趾の人は楽に履けるものを選びましょう。

八巻稔秀

独自のエクササイズで骨格を本来の形に整えるスポーツトレーナー

スポーツトレーナー

八巻稔秀さん(TYカラダ調整セラピー)

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