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イギリスがEUを離脱すると日本の経済はどうなる?

カテゴリ:
ビジネス
キーワード:
相続税

短期金融市場はすでに動き始めている

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英国は、EUから離脱するかどうかを国民投票で決定するとしています。
その投票日である6月23日はどんどん近づいてきています。
ネットの情報等では離脱派がリードをしていると報道されて、英国市場のみならず、米国や日本の金融市場にも影響がすでに出ています。

例えば、為替レートに関しては、ポンドもユーロも下落しており、相対的に円が高くなりつつあります。
英国の債券市場においては、英国国債の格付けが引き下げられると予想されていますし、英国の株価市場においても株価下落傾向は顕著であり、既にニューヨークや東京の株式市場でも敏感に反応しています。

日本の投資家はどう動くのか

英国ポンドやユーロに投資をしている投資家は、英国がEUから離脱すれば、その価値が下落することは火を見るより明らかですから、ポンドやユーロを売却して日本円のような安定した通貨を購入すると思われます。
英国国債や英国企業の株式に投資している投資家も同様に、英国がEUから離脱すれば、その価格が下落することも明白ですから、売却を早めるものと思います。
各種ファンドにおいても、ポンド、ユーロ、英国国債、英国株式、英国債券等に対して投資をしているものであれば、同様に影響を受けますから、投資家からの解約請求が増えるのではないかと思われます。

リーマン・ショックのような金融危機になる可能性はあるか

英ポンドが急落すれば、英銀行の自己資本比率に大きな影響が出るため、リーマン・ショックのような金融危機になるのではないかという声も聞かれます。
金融機関が自己資本比率に影響する海外資産を売り急いだり、各種のファンドの投資家が解約したりすることで金融資産の売却が加速されると、金融市場全体のその影響が波及し、為替も株価も全面的に下落し当面回復が望めない可能性があります。
最悪の場合、その影響がグローバルに波及して、金融危機が再到来するのではないかという不安が高まっています。

英国の税制や財政への影響

現在、英国がEU域内に輸出しても関税は免除されていますが、もしEUから離脱するとこの特権はなくなり、関税が課されることとなります。
さらに、英国のオズボーン財務相は、国民投票で離脱が決まった場合、新たな財政緊縮策を打ち出す方針であると公表しています。
それによると、離脱による予算への影響を補うために300億ポンド(約4兆4900億円)規模の財政措置が必要としています。
その内訳は増税と歳出削減が半々となっています。基本的な所得税率は2%ポイント引き上げ22%になり、それよりも高い所得税率は3%ポイント引き上げ43%になるということです。
相続税も増税の対象となり、生活必需品であるアルコールやガソリンに対する税も引き上げの対象となるようです。医療、教育、防衛関連支出は2%削減され、年金支出も同様の引き下げるとされています。

日本経済はどうなるのか?

英国に進出している日系企業は1000社を超えているといわれています。
EU域内への輸出に係る関税の課税が始まると、英国に製造子会社を保有しEU域内の他国に対して輸出を行っている場合は、多大な影響を受けると思われます。
さらに、所得税や相続税の増税や年金支給額の引下げにより英国国民の消費マインドが冷え込むと、英国内での売上も減少すると予想されます。
また、対ポンド・ユーロに対して円高となるため、英国及びEU諸国に対する輸出はブレーキがかかることとなります。

したがって、将来的には日系企業の英国からの撤退が始まる可能性も否定できず、EUに所在する子会社についても再編や統合の動きが出てくるのではないかと思われます。

仕事で役立つ実践的なマインドマップ活用法を教えるセミナー講師

田村敏明さん(TLI-JAPAN)

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