シャープが3度目の希望退職を募集予定 実態は強制解雇?
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シャープが3度目の人員削減を計画との報道
シャープは、鴻海からの出資完了を機に現社長が退き、鴻海から戴氏が社長に就任する予定です。
2012年に3,000人、2015年に3,200人を希望退職により人員を削減しましたが、さらに7,000人もの人員を削減すべく3度目の希望退職を募る予定とのことです。
3度も希望退職を募集してもいいのか?
既に2回の希望退職で、6,000人以上を削減しているのですから、これ以上希望退職を募集したところで、希望する人もなく実態は強制ではないのか、という疑問も湧いてきますが、問題はないのでしょうか?
会社の経営状態が思わしくなく従業員を指名解雇することを「整理解雇」と言いますが、日本においては、過去の判例でこれを合法とするには、以下4要件が必要とされています。
1. 人員削減の必要性
単なる経営不振ということではなく、人員削減をしなければ経営が行き詰まるなどの理由があること。
2.解雇回避努力義務
希望退職者を募集、配置転換、出向など、解雇を回避するための努力を事前に行うこと。
3.解雇者選定の合理性
解雇する人員が、主観ではなく合理性があること。
4.解雇手続きの妥当性
解雇される者と十分に話し合いを行い、納得を得るための努力を尽くしていること。
シャープの3度目の希望退職募集を上記に当てはめてみますと、指名解雇をする前に2の解雇回避努力をする、ということになります。一般的には、退職金の上乗せなどを伴って募集をしますが、これで7,000人が集まれば指名解雇をせずに済みます。
そういう意味では、希望退職の募集は、合理的な人員削減であると言えます。
もし予定通りの人数が応募しなかった場合はどうなるかですが、恐らく指名解雇へ進むと思われます。
解雇のための必要な要件が揃ったときのみ整理解雇が可能に
その際に合法であるかも、上記4要件に当てはめてみます。
シャープは現在2期連続赤字を出していますので、1の要件はクリアします。
また、既に7,000人の希望退職を募集するのですから2の要件もクリアします。
次に3の誰を指名するかについてですが、経営側で恣意的な人選を行ってはならず、例えば直近2期の人事考課で評価が低かった人とか、勤続年数が短い人からとか、何らかの合理的な理由が必要になります。
最後の4については、指名した従業員と十分な話し合いを行い、なぜ指名されたのか、今後のフォローがどのようになっているのか、など納得してもらえるよう努力をしなければなりません。
以上がクリアされれば、今回の希望退職を募集して予定人数が集まらず、最終的に指名解雇をしたとしても合法ということにはなって来るでしょう。
衰退産業から成長産業へ人が異動することは、日本経済にとっても労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整を図る上で、決してマイナスなことばかりでは無いでしょう。
その際に、労働条件が下げられないよう、自身の能力を磨いておく必要があります
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