カップヌードルCM中止は誰が悪かったのか?関係者の言い分を考察
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わずか一週間で中止となったカップヌードルの新CM
少し前のことになりますが、日清食品は2016年4月8日、お笑いタレントのビートたけしさんやタレントの矢口真里さん、歌手の小林幸子さんやムツゴロウさん、音楽家の新垣隆さんを起用した「カップヌードル」の新CM「OBAKA's UNIVERSITY」シリーズを放送取りやめにすると発表しました。
私もオンエアーで見ましたが「これはかなり挑戦的だがCMとしては目立つし企画が抜群に面白い・・」という感想。それが確か一週間くらいで中止になったので残念とは思いました。と同時に「やっぱりなぁ」とも。
さて、今回の騒動についてそれぞれの立場で大勢を占める考え方を私なりに述べます。
まず、日本では「言論の自由」がありますから誰がどういうことを言っても基本的には何も問題はない、というのが前提です。
企業側の立場
本CMがオンエアーされたということは当然ながら広告主である日清食品のOKを広告代理店はもらっています。
社長決裁までなのかどうかは判りませんがこれだけの内容ですから稟議で幹部関係者全員がハンコをついているでしょう。
それがすぐに中止になるのはよほどのことである、と推察します。では何がよほどのことなのか?
それは世論です!いや正確に言うと本CMに対する予想される自社に不利益な世論。
そしてそれは今年に入ってからの芸能界の出来事とそれに対する世間の風潮が関係していると私は思います。
「不倫の横行(笑)」に対しての世間的な反応は、特に主婦層はもちろんダメ。
ですからこう申し上げては何ですがクレームの標的はほぼ矢口真里さんでしょう。
恐らく日清食品の幹部は、このままCM放映を続けると、もしかしたら家計を握るマジョリティである主婦層がカップヌードル不買運動に発展しかねない、と考えたのではないでしょうか?
クレーマー(一部の消費者)の立場
いつも私は思うのですが、この手のクレームを言う方の目的は何なのか、ということ。自分がそのクレームを発信すること自体が目的のような気がしてなりません。
一概には判りませんが多分に自己満足では・・とも思います。
不快感を与えられたとしたらそれも判りますが。
メディアの立場
週刊誌ネタやネットニュースには格好の話題でしょう。
中止になったことで、あーでもないこーでもない、中止すべきではない、ブラックな笑いはCMでどこまで許されるのか・・などいろいろな角度から切れますよね。
しかも出演者がそれぞれひと癖もふた癖ある方たちばかり・・となると話題性としてはこのCMの企画者の狙い通りかもですね。
出演タレントの立場
いちばん悔しがっているのはやはり矢口真里さんでしょう。
もしこれが契約期間どおりに放映されていれば自身の過去は清算された、と世間体は考えるからです。
まあある意味かわいそうでもあります。
矢口さんはこのCMの仕事が自分に来たとき「本当に私でいいんですか!」と何度も担当者に聞いたそうです。
その返答によってはもしかしたら辞退したかもしれませんよね。
で、蓋を開けたらすぐに中止という結果ですから「だからあれだけ確認したのに~~ふざけんな!」と思っているとしたらごもっとも。
本騒動における最も大事なこと
では本騒動での悪者は誰か?となると誰も悪くない、というのが結論。
それぞれの立場ではそれぞれほぼ正論ですから。
そして最も大事なことはこれです。
中止にしようと予定通り放映されようと「カップヌードル」ブランドは揺るぎないということ。
むしろこういった炎上により余計に購買が増えたのではないでしょうか。
これが世界的ヒット商品である「カップヌードル」の強さであり凄さです。
即席めんを初めて開発した日清食品の企業力であるとも言えます。
つまりは商品力に優る広告はないことをまざまざと証明したのが今回のCM放映中止騒動、と私は位置づけます。
企業の制作物を社会貢献につなげる広告プロデューサー
石川一彦さん(オフィス・アイランド)
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