新入社員の退職を防げ!やってはいけないNG指導
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新入社員教育にかかる負担は相当なもの
4月となり、新入社員を迎え入れた職場には新しい風が吹いていることでしょう。仲間が増えることは喜ばしい一方、新入社員を一人前に育てるには、大変な時間と労力が必要です。特に中小企業では、先輩社員や上司も自分の仕事がある中での指導となるため、新入社員教育によってかかる負担は相当なものです。
それでも、新入社員をきっちりと教育することは会社にとってもプラスに働き、教育する先輩や上司自身の成長にもつながります。そこで、個人的な経験を踏まえ、新入社員を教育する上で起こりがちなNGケースを3つ紹介します。
新入社員を教育する上で起こりがちな3つのNGケース
(1)いきなり単純作業から始めさせる
新入社員は初めから戦力にはなりませんが、いきなり単純作業ばかりやらされれば、仕事にうんざりしても仕方ありません。できることからやってもらうのは間違っていませんが、その前に、自社の歴史や経営理念・経営ビジョン、大切にしている価値観などをきちんと教えていくことが先決です。
そして、単純作業をしてもらうにしても、その作業が会社全体の中でどのような意味を持っているのかを明確に伝えてから、作業に取り掛かってもらうことが大切です。
(2)教える前にやらせる
昔の教育は、先輩や上司の仕事を「見て覚える」というスタンスだったかもしれませんが、今は「何回も繰り返して教える」というスタンスが求められています。暗記偏重の学校教育の弊害ですが、それを嘆いても仕方ありません。
何度も何度も、きちんと出来るようになるまで丁寧に教え、徐々に「自分でやってもらう」「自分で考えてもらう」という機会を増やしていきましょう。
(3)ベテラン社員が教育担当をする
経験豊かで、業務も比較的落ち着いているベテラン社員が教育担当をするケースがありますが、今年の新入社員に限らず、学生時代に上下関係で揉まれた経験を持たない若者が増えています。
ほとんどの新入社員は、年配者とどのようにコミュニケーションをとって良いかも分からないのです。可能であるならば、年齢の近い先輩社員が教育担当をする方が好ましいでしょう。
毅然とした態度で接することが必要
せっかく採用した新入社員を辞めさせたくないということで、必要以上に気を遣いすぎるケースもあります。これも、長期的に見ると新入社員のためになりません。私は管理職研修で「君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず」という論語の言葉をよく紹介します。意訳すると「優れたリーダーは共感・協力・協調はするけれども、同調・同化はしない。ダメなリーダーは同調・同化はするけれども、共感・協力・協調はしない」という意味です。
例えば、新入社員の甘えや依存心が見えたときには、その気持ちを理解しながらも、毅然とした態度で接することが必要です。一時的には、新入社員は落ち込んだり、反発したりするかもしれませんが、そのままにしておく方が本人のためになりません。新入社員の指導は気苦労が多いと思いますが、是非とも根気強く頑張っていただきたいと思います。
経営者と社員の生きがいづくりを支援する専門家
福留幸輔さん(生きがいラボ株式会社)
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