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女性が産後離婚を考えてしまう心理とイライラの理由。夫婦で考えたい回避のコツ

カテゴリ:
くらし
キーワード:
離婚問題
夫婦問題 相談
{産後離婚、産後クライシスとは?}

出産後、離婚を考えてしまう女性は意外に多いことをご存じでしょうか。実際に「産後離婚」は多く、その原因は出産後のさまざまな変化が関係しています。そこで今回は、なぜ女性は産後離婚を考えてしまうのか、その原因と離婚を回避するために押さえておきたいコツを紹介します。

出産後の夫婦には幸せと離婚が共存する可能性も

夫婦の間に新しい命が誕生することは、幸せそのもの。しかし、これから長い子育てが始まること自体が、離婚を引き起こす原因になることもあるのです。その意味でも、出産後は幸せと離婚の危機が共存する可能性があるといえます。

産後クライシスとは

産後クライシスとは、出産後に夫婦仲が急速に悪化することです。それまで夫婦仲に問題がなかったとしても、生活環境が変化することによって夫婦の関係が冷え込んでしまうのです。子どもの誕生は、夫婦にとって最も喜ぶべきことです。しかし、出産を機に生活環境は今までと同じようにはいかなくなってしまいます。夫婦の関係よりも子育てが生活の中心になってしまうため、お互いの存在を軽視することもあり、今までとは関係が大きく変わってしまうのです。そこで起こるのが、「産後クライシス」です。

産後うつとは意味合いが異なる

出産後の女性に見られる現象にはもう1つ、「産後うつ」があります。産後うつは産後クライシスと同じだと思われがちですが、これら2つは意味合いが異なります。

産後うつは出産後の女性がかかるうつ病の一種であるのに対し、産後クライシスは出産後の夫婦関係が悪化する現象で、病気ではなくあくまでも夫婦間の状態を指します。

産後クライシスは産後離婚の原因になることも

出産直後に限らず、産後クライシスの状態になると長期間険悪な状態が続くこともあります。この状態があまりにも長く続くと、最悪の場合、離婚の原因になってしまいます。

出産後2年以内の離婚率が最も高い

子どもがいる夫婦の離婚率は、出産後2年以内が最も高いといわれています。次いで高いのが子どもが3~5歳の頃です。

「子どもが2歳までの間は産まれた喜びを感じ、子どもとの生活が充実している頃では?」と思う人も多いでしょうが、同時に産後クライシスの状態が起こっている夫婦も多いことがわかります。

産後離婚を招く原因とは

産後クライシスの状態の夫婦が離婚を選択する割合は、想像以上に高いといえます。では、なぜ出産後すぐに離婚を選択してしまうのでしょうか。その原因を詳しく見ていきましょう。

産後の妻の生活や体調の変化

出産後の女性は、赤ちゃんの世話につきっきりになってしまいます。これまでとは異なる生活サイクルになることが多く、しかもほとんどの時間を赤ちゃんの世話に費やすこととなるため、だんだんと大きなストレスを感じてしまうのです。

日々の生活において、妻にストレスが溜まった状態は、精神的にも肉体的にも疲労し、育児が思うようにいかない不安をも抱いてしまうでしょう。

さらに、出産後の女性の身体には大きな変化が現れます。妊娠中は女性ホルモンが大量に分泌されていますが、出産後は急激にホルモンが減少するので、ホルモンバランスが崩れやすくなってしまうのです。すると自律神経も乱れやすくなり、産後うつを引き起こすことがあります。出産で崩れたホルモンバランスは、安定するまで2年ほどかかるといわれます。

これらの出産後の女性の生活サイクルの変化やホルモンバランスの崩れが、離婚の原因にもなる産後うつを引き起こすと考えられます。

産後の夫婦それぞれが求めることが違う

上記のように、女性は出産前と出産後で環境や身体の状態が大きく異なり、その違いがイライラや落ち込みにつながることがあります。

また、子どもの世話は労力がかかり、家事もままならないことがあります。子育てや家事を手伝ってほしいと思う妻に対し、夫は妻ほど生活の変化は大きくなく、これまで通りの生活を続けていることも少なくありません。妻が大きな変化を迎えているにもかかわらず、育児に協力もしてくれない、しかも出産前の生活と何も変わらずに過ごしている夫の様子に対し、さらにイライラが募るのです。

夫側から見ると、出産後にイライラする様子が増えることに対して不安やイライラを感じてしまいます。そんな状態の妻と長く一緒にいられないと感じ、夫婦仲も悪くなってしまうのです。このように、妻と夫が相手に求めることが噛み合わないことが、離婚へつながっていくと考えられます。

そして、妻と夫ではそれぞれ相手に求めることも異なります。そのすれ違いも、産後離婚を招く一因といえるでしょう。

妻から夫に求めること
出産後、子どもの世話に多くの時間を割いている妻は、少しでも家事や子育てを手伝ってほしいと考えます。こちらから言わなければ何もしてくれないということは、家事や子育てに無関心と捉えてしまうこともあります。そのため、妻から頼まなくても、夫が積極的に協力してくれることを求めています。

また、家事や子育ての手伝いを夫に頼んだ時に夫がうまくできないことがあったり、頼んだ内容と違うことをしていたりするケースも出てきます。すると、妻は「頼まれたことすらきちんとできないの?」と不満に感じたり、夫に対して完璧を求めたりします。

夫から妻に求めること
夫も、妻が家事と子育てで苦労していることはわかっているはずです。しかし、必ずしも夫に余裕があるわけではなく、実際は仕事などで多忙な日々を過ごすこともあります。そんな状態にもかかわらず、妻に「協力してくれない」と思われていることは、夫にとっては心外でしょう。

夫は手伝ってほしいことがあるならはっきり言ってもらいたい、完璧にできなくても協力させてほしいと考えていることも多いはずです。

子育てに対する男性の5つのタイプ

近年は、「イクメン」という言葉がよく聞かれるようになっていることからも、子育てに積極的に関わる男性も増えています。しかし、すべての男性が積極的というわけでもなく、大きく分けて5つのタイプに分けられます。

・積極的に子育てに関わる典型的イクメンタイプ
自発的に子育てに関わりたい、育児休暇を取得したいとまで考える、積極的にイクメンとして子育てをしたいタイプ

・物わかりが良い無難なイクメンタイプ
妻に頼まれた、言われたことはとりあえずこなす、妻のサポート的な育児の関わり方をするタイプ

・あくまでもサポートタイプ
まったく育児に関心がないわけではないものの、するべきことを指示されないと何をすればいいかわからない。基本的に育児は妻がやるもので、夫はサポート役と考えているタイプ

・古典的な仕事中心タイプ
男性は仕事をして稼ぎ、女性は家事と子育てに専念する、とはっきりとした役割分担があると考えるタイプ。妻が役割分担に理解を示していればうまくいきやすいけれど、家族に関わる時間が減りがちです。そのため、後に家族の中で孤立することも。

・すべて丸投げタイプ
家事や育児は妻のみが行い、頼まれても手伝うことはせず、関心もないタイプ。仕事はこなしているが、家庭のことをやる気はない。

このように、男性のタイプは家事や育児への関心度によって分けられます。産後離婚の原因は、先述のようにお互いの状況の理解不足が挙げられますが、男性の子育てに対する無関心さも夫婦関係が悪化する原因となってしまいます。

「古典的な仕事中心」や「すべて丸投げ」のタイプに当てはまる男性は、産後離婚のリスクが高いといえるでしょう。

産後離婚で後悔する人が多い理由

出産後の夫婦関係の悪化により、これ以上一緒に生活をしていけないと感じて離婚を選択する産後離婚ですが、特に女性は産後離婚をした後に、以下のような理由で後悔を感じることが多いといわれます。

仕事と育児の両立が難しい

育児だけでも大変な労力が必要な上に、離婚をすると仕事の負担もプラスされます。子どもがある程度の年齢に達するまでは子育てにかかる時間を確保しなければならず、小さいうちは急な体調不良で迎えに行く必要が出てくるなど、ひとり親では仕事と育児を両立しきれないことも起こり得ます。

離婚してひとり親となったからには、育児をしながら収入を確保しなければならず、仕事と育児の両立の困難さを感じると、離婚を後悔することもあるでしょう。

逆に男性の場合は、育児休暇が取りづらく時短勤務もしづらい、周囲に父子家庭が少ないため情報共有がしづらいなど、女性とは異なる困難さを感じることも多いようです。

親権については離婚前の話し合いが必須

離婚後、どちらが子どもを引き取るかに関しては夫婦で話し合いをして決めることとなります。親権は「母親優先の原則」があることから、特に未就学児の子どもがいる夫婦では、母親側が親権を得る傾向が見られます。

金銭面で苦しくなりやすい

育児と仕事との両立にもつながりますが、やはり金銭面での苦労が離婚後に最も後悔することだといわれます。育児に専念していた妻の場合、夫の収入に頼っていたでしょうが、離婚するとその収入源がなくなります。

子育てには、少なからずお金が必要です。収入源がなくなることで金銭的に苦しくなると、離婚後に最も後悔を感じるでしょう。

産後離婚を決断する前に実践したいポイント

出産後の夫婦関係の悪化により、離婚を決断することもあるでしょう。しかし、これ以上関係修復が難しいと感じてすぐに離婚を決める前に、以下に挙げるポイントを実践してみましょう。

女性特有の産後の状態を理解してもらう

出産後の女性は、生活はもちろん体調にも大きな変化が生じます。産後はホルモンバランスの変化により感情が大きく動いたり精神的に不安定になったりすることが多いものですが、そばから見てわかるものではありません。

そのため、夫に産後の身体の状態を理解してもらうことが大切です。産後の身体の状態はこれまでとは異なることをわかってもらい、その上で家事や子育てを手伝ってもらうのがポイントです。お互いに状況を理解して共有できれば、ムダなイライラを減らせて家事や育児の分担もスムーズに進めやすくなるでしょう。

産後のイライラにはストレス発散も解決法に

産後にイライラを感じやすくなるのは、ホルモンバランスの変化などが起こっているため、ある意味当然と考えましょう。出産後は、つきっきりで毎日欠かさず育児をしなければなりませんが、育児に疲れてストレスが溜まった場合は、きちんと発散をするのも1つの解決法です。

例えば、子どもを実家や一時保育所に預けて数時間1人の時間を作るだけでも、ストレス解消につながります。ゆっくりと自分のペースを取り戻す時間を作り、ストレスをできるだけ溜めないようにすることも育児には大切です。

お互いの気持ちが伝わっているか確認する

夫婦関係が悪くなるとお互いのことをよく考えず、伝えるべきこともきちんと伝えていないことも増えるのではないでしょうか。「こう言ったはずなのに」というケースでは、その内容が相手にきちんと伝わっていないこともあります。空気を読んで察してほしいという曖昧な姿勢では、お互いの気持ちはうまく伝わらず、すれ違いを悪化させてしまいます。

「わかってもらえない」と思い込む前に、きちんと言うべきことを伝えているか、それが伝わっているかを今一度確認するようにしましょう。

中には離婚をした方が良いケースも

上記のポイントを踏まえた上でも、残念ながら離婚を選択した方がいい夫婦がいるのも事実です。

お互いの気持ちや状況をまったく理解しようとしない、妻が家事と育児で大変なのにもかかわらず夫が一切歩み寄って手伝おうとしないケースは、一緒に生活を続けていくだけでストレスが溜まる一方です。

また、夫や妻に親としての自覚がなかったり、浮気をしていたりするケースは関係修復以前の問題です。このような夫婦は、無理に関係修復や家事・育児への理解を求めるのではなく、離婚を検討した方がいい場合もあります。

まとめ

画像3:

産後離婚は、出産後の生活や女性の身体の変化などさまざまな原因により引き起こされます。出産後2年以内の離婚が多いことからも、この時期の夫婦関係を良好に保つことが、産後離婚を防ぐポイントとなります。

出産後の夫婦にとって、お互いの気持ちや状態を理解し合うことは、夫婦関係を良好に築くために特に大事なことといえるでしょう。

シングルマザーを支援する心理カウンセリングのプロ

北見由紀さん(カウンセリングルーム ブリア)

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