肥満で肝がんリスク増。生活習慣改善で肥満解消を
間食を一日ごとに。ご飯は30回かんで食べる
体重の増減は、「入るほう」と「出るほう」のバランスで決まります。食べたものの摂取カロリーが、消費したカロリーより多いと余剰の脂肪として体重増加につながります。よって、体重を減らすには「入るほう」、つまり「食べる」を減らすか、「出るほう」、つまり「カロリー消費」を増やすしかありません。世の中にはさまざまなダイエット方法がありますが、このどちらかになるはずです。
初めに、「入るほう」、つまり「食べる」について考えてみます。まず、自分がよく食べるものを見直してみてください。特に注意しない限り、自分が好きなものを食べる回数が増えたり、たくさん食べたりしているはずです。甘いものやパンなどは、量が少なくても摂取カロリーは意外に多いものです。間食を毎日しているなら、まずは一日ごとにしましょう。それだけで摂る量が半分になります。
次は食べ方です。食べる順序も大事です。食べ始めは酢の物や、野菜などを煮炊きしたものから徐々に食べたほうが、急激な血糖値の上昇を抑えられます。また、ご飯は口いっぱい頬張らず、一口分は少なめに入れて30回程度かんで食べましょう。これだけを確実に実行するだけでも、食べる量が減ります。よくかむと唾液の分泌が良好になり、満腹中枢を刺激しますので、食べる量が減っても満腹感が味わえるのです。
日ごろから体を動かすことで、太りにくい体質に
次に、「出るほう」、つまり「カロリー消費」を考えてみます。「何にも食べていないのに、息をするだけでも太ってしまう」というようなことを聞いたことがありますが、仙人ではあるまいし、そんなことは絶対にありません。では、なぜそのように感じてしまうのでしょう。一日中、家の中にいてテレビの番をしているような生活では、あまり消費されずに3度の食事だけでも十分にカロリーを摂ってしまっているのです。
まずは、できるだけおっくうがらずに体を動かしましょう。例えば、スーパーなどでの買い物の際や駅では、手荷物がなければ(いつでも両手は空けておいたほうが安全です)エレベーターやエスカレーターは使わず、階段を使いましょう。日ごろから体を動かしていることによって、年齢とともに落ちる基礎代謝をできるだけ維持しておけば、太りにくい体質になります。さらに積極的に運動もしてみようというのであれば、有酸素運動を少しだけ強めにすると効果的に脂肪が燃えやすくなるはずです。
いずれにしても一時的では効果が出ませんので、自分に合っていると思われる方法があれば継続的に実践してみてください。
予防医学のプロ
久保清景さん(医療法人社団 くぼクリニック)
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