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多発する自然災害に備え「火災保険」を知る

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加入中の火災保険は、自然災害の備えとして機能していますか?

多発する自然災害に備え「火災保険」を知る

今年も自然災害の多い1年でした。

2月 二週連続の週末の大雪/首都圏
6月 大量の雹(ひょう)/東京都三鷹市
8月 安佐北区土砂災害/広島市、台風11号
9月 御嶽山噴火、局所的豪雨/東京・名古屋
10月 二週連続の週末台風
11月 長野県北部地震

これらの自然災害の発生をコントロールすることはできませんが、損害を受けたときのために備えることはできます。それが火災保険。あなたが加入している火災保険は、自然災害の備えとして機能しているでしょうか?

「風」「雹・雪」は補償されるが、「水」は補償されない場合も

多くの火災保険では、竜巻・強風等の「風」の被害は補償されます。しかし、「水」の被害は補償されない保険もあります。「水」の被害の保険料は若干高めであるため、マンション等では補償対象から外す人も多いようです。

水害というと、浸水被害が想定されやすいですが、土砂災害も対象となりますので、山の斜面等の高台に位置する住宅では必要な補償といえます。また、「下水道があふれ、マンホールから噴出する水の被害を受ける」という可能性もありますので、マンションも無関係ではありません。

なお、「雹・雪」の被害は「風」とセットで補償が一般的です。ただし、20万円など一定額以上の損害を受けた場合にのみ補償するものもあります。

「落雷」も一般的に補償される。「地震」はセット申込が必要

そして、意外と忘れがちなのが「落雷」です。近くに落雷した影響により、落雷時に自宅で使用していた家電製品が故障した場合には、一般的に火災保険で補償されます。故障した家電製品について損害を申請しないで、捨てたり、買い換えてしまったりするのはもったいない話です。

また、建物や家財が、地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊、埋没、流失の被害を受けた場合には、火災保険では補償されません。地震保険は単独で申し込むことはできず、火災保険とセットでの申込が必要です。

建物と家財は別契約。「再調達価額」と「時価」の違いは?

家財の火災保険加入率は建物に比べて20%ポイント程度低くなっています。「建物に付保することで家財も補償されると思い込んでいる」「家財まで意識が届かない」といったことが原因と思われますが、家財に保険を付保していない場合、家財に損害を受けても保険金は支払われません。例えば、建物に火災保険を付保していても、家財が盗難被害にあった場合には、家財の被害は補償されないのです。

また、契約には「再調達価額」と「時価」があります。「再調達価額」とは「保険対象物と同等のものを現時点で再築または再購入するために必要となる金額をベースとした評価額」をいいます。一方、「時価」とは「現在の価値」。つまり、再調達価額から経年減価額を差し引いた金額であり、再調達価額よりも低くなります。

「時価契約」は「再調達価額契約」に比べて保険料は安いですが、損害を受けたものと同等のものを再築、再購入しようとする場合、保険金ですべてを手当てすることはできません。「補償の確保」を優先するならば、再調達価額で契約することが望ましいでしょう。最近の火災保険は、再調達価額で契約するタイプが主流となっていますが、以前は「時価契約」も多かったため、確認してみましょう。

火災保険の補償範囲を確認し、過不足を感じたのなら見直しを

補償の充実を考えると、あれもこれもとなりがちですが、当たり前の話ですが、補償範囲を広げると保険料が高くなってしまいます。

ただし、以前に比べて異常気象と思われるような現象が増加しており、今後も想定外の自然災害による大きな損害を被る可能性は高く、公的補償にも限界があります。

長い人生に1回あるかないかの災害に対して心配しすぎても良くありませんが、考えうる自然災害に対しての備えとしての火災保険の補償範囲を確認し、過不足を感じたのなら見直しをしてみることをオススメします。

セミナー・執筆を通じてお金のコントロールを提案するFP

益山真一さん(ベターライフ提案室インタレスト)

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