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ユニークな福利厚生実施の狙いと注意点

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「法定外福利」で新たな活力を得る企業が増加

ユニークな福利厚生実施の狙いと注意点

従業員に対する福利厚生制度。家族手当や家賃補助、社宅、財形貯蓄制度などが頭に浮かぶと思います。これらの福利厚生制度は、企業が自主的に行うもので「法定外福利」と言います。これに対し、法で定められた社会保険料の企業負担分などを「法定福利」と呼びます。今、法定福利費は増加傾向にあり、コスト削減のため、法定外福利費を見直したり、制度自体を休止したりする企業も増えています。

しかし、従来のものとは少し違ったユニークな福利厚生(=法定外福利)制度を導入することで、新たな活力を得ている企業もあるようです。

サイコロ給や失恋休暇などユニークな福利厚生制度

ユニークな福利厚生制度を目的別にいくつか紹介します。

(1)コミュニケーション促進:社員食堂の設置、社内運動会の復活、社員旅行、女子会手当(社員の女子会開催費用を援助)など
(2)給料補助:サイコロ給(出たサイコロの目によって基本給へ一定割合で上乗せ)、じゃんけん給(じゃんけんに勝つと金一封を支給)、デート支援金(恋人と旅行する際に旅費を補助)、宝くじ制度(年末に勤続年数と同じ枚数だけ宝くじがもらえる)など
(3)リフレッシュ支援:バーゲン半休(バーゲンのため堂々と休暇が取れる)、映画半休(年2回、映画鑑賞のために半休が取れる)、失恋休暇(失恋した場合に1~3日程度の休暇が取れる)など
(4)自己啓発:学び休暇(好きなことを学ぶため3年に1回、1カ月の休暇が取れる)など

サイコロ給や失恋休暇などは目新しい制度ですが、社員食堂や運動会などの古くからある福利厚生制度が見直されて導入されているのも興味深いところです。

ユニークな福利厚生制度を導入する際は目的を明確に

企業がユニークな福利厚生制度を導入する理由の一つとして、企業知名度と従業員満足度を高め、人材の確保や定着を期待することが挙げられます。また、ITの普及や成果主義の徹底などにより、希薄になった従業員同士のコミュニケーションを促進し、作業効率アップやメンタルヘルスの向上に役立てたいといった思惑もあります。事実として、福利厚生制度を充実させることで、良い人材が集まったり、従業員のやる気やモチベーションが上がったりと、大きな成果を上げている企業も出てきています。

しかし、楽しそうだから、導入しやすそうだからと言って、やみくもに他社の福利厚生制度を真似たり、安易にオリジナルの制度を作ったりしても効果は上がりません。今、自社に必要なことは何か、目的は何かを明確にさせた上で、従業員の意見も聞きながら制度を作っていくことが大切です。例えばクリエイティブ系の企業なら、様々なアイデアを湧き起こすために役立ちそうなコミュニケーション促進制度・休暇制度を導入するなど、会社の事業内容と制度目的をリンクさせることも必要でしょう。ユニークな福利厚生制度を有効活用し、活気あふれる会社がさらに増えることを期待します。

人事労務コンサルティングの専門家

大竹光明さん(社会保険労務士法人大竹事務所)

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