踊る金融市場。乱高下する株価・金利は今後どうなるか?
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「世界の中の日本」という位置づけで考えると、日本の方向性が見えてくる
アイルランドで行われたG8首脳会談で、安倍首相は「アベノミクスに手応えを感じた」と笑顔で答えていました。諸外国も注目する日本の経済の行方。なんといっても日本は世界で第3位の経済大国ですから、その動向に世界は注視しています。
「株価・金利は今後どうなるか?」という問いに対しては、「誰もわからない」というのが正解です。「次の選挙まで」や「年内は続くだろう」「いやいや今回の経済成長は本物だ」と予想する人もいます。ただ、どれも本当かどうかはわかりません。大事なことは、「私はどう考えるか」というところ。新聞やネットなどの情報を自分自身で確認し、分析して判断する。それが最も大切なことであり、必要なことです。特に「世界の中の日本」という位置づけで考えると、長期的な日本の方向性が見えてくると思います。
例えば、経済の大きさを測る指標であるGDPは、消費の大きさを表しています。消費の大きさは、人口に比例します。つまり今後の人口推移を考えれば世界の経済成長の動向も見えてくるのです。世界を見渡せば、人口の多い国や、これから人口が増える地域はどこでしょう?中国やインドといったところが思い浮かびますね。アジア諸国も、まだまだ人口が増えると言われています。先進国は一様に高齢化が進んでいますが、アメリカは移民の受け入れもあり、人口は引き続き増加すると予想されています。
新興国が成長し経済力が付いてくると、消費が増えます。すると、今以上に需要が伸びるのが「エネルギー」です。ではエネルギーを供給できる国、地域はどこでしょう?最近話題のシェールガスでいえば、アメリカの進出が目覚しいですね。今アメリカの経済の先行きが少し明るくなっているので、世界全体に、また新興国にも良い影響を与えているとも言われています。
傍観者ではなく投資家として日本の成長を考える
では、日本に視点を移してみましょう。アベノミクスの特徴のひとつの金融緩和で、今日本の市場にお金がどんどん流入しています。そのお金で株が買われ、企業に融資され、仕事を生み、利益となって循環する。株価が上昇すれば金利も上昇していくでしょう。
ちょっとした「利ざや」を狙うギャンブルを楽しむような投機目的の人ばかりがアベノミクスに便乗するようであれば、この株高も打ち上げ花火で終わると思います。しかし、経済がよくなることは、日本がかかえる雇用の問題や社会保障の問題などの改善につながることと考え、傍観者ではなく投資家として日本の成長を考える人が市場参加者に増えてくれば、この成長も確かなものになっていくかもしれません。
年金・資産運用に強い独立系ファイナンシャルプランナー
山中伸枝さん(株式会社アセット・アドバンテージ)
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