学歴より何より現代のリーダーに求められる資質
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Googleが発見。仕事での成功と学歴はまったく無関係
先日、Googleは、自社社員をデータ分析した結果、仕事での成功と学歴はまったく無関係であることを発見しました。
日本でも「名選手、名監督にあらず」という言葉があります。「名選手だからといって、必ずしも名監督になるかというとそうとも限らない」と捉えています。ビジネスに置き換えてみると、「優秀なプレイヤーが必ずしも優秀なリーダーになれるとは限らない」ということでしょう。これは、学歴についても同じことが言えるのではないでしょうか。学歴が高いほど仕事ができる優秀な人(優秀なプレイヤー)というイメージがありますが、学歴が高いだけで必ずしも優秀なリーダーになれるかというと、そうではありません。
それはなぜでしょうか?プレイヤーに求められる資質と、リーダーに求められる資質が異なるからです。プレイヤーは自分が業績を収めれば良いのに対して、リーダーはチームとしての業績を上げていかなければならないわけです。最終的な数字だけを求めるのであれば、リーダー自身がプレイヤーとして出ていけば済むのかもしれませんが、それではリーダーとしての役割を果たしていないことになってしまいます。組織とは、継続して成長していかなければならないものです。つまり、部下を育て、未来につないでいくことこそ、リーダーに求められる大きな仕事。では、リーダーに求められる資質とはどういうものでしょうか?
メンバーのモチベーションを上げ、育てる力が求められる
リーダーにはまず、チームのメンバーのモチベーションを上げ、育てる力が求められます。つまり、部下がそれぞれの能力を最大限に発揮できるよう配慮していく必要があるのです。部下は上司からあれこれ言われるのを好まないかもしれません。しかし、「教えてほしい」「学びたい」という気持ちは大きいものです。仕事をしていく中で、学び、達成感を感じ、新たなチャレンジができる環境を作っていくことで、自発的にパフォーマンスを発揮しやすくなることでしょう。
そんな環境を作るためには、リーダーが「待つ」「見守る」ことも大変重要となります。自分が優秀なプレイヤーであればあるほど、待つことがじれったくて仕方ないものですが、わかりやすく指導し、見守り、フォローし、一緒に達成感を味わえるリーダーがいれば、部下も安心してついてきてくれるはずです。
人は、能力も性格も気質も十人十色。客観的に見極める力が必要
無意識ながら往々にしてあるのが、優秀なリーダーほど、自分を基準に部下を判断してしまうことです。それにより、部下を正当に評価できない、部下の良いところを探すことができない、評価が厳しくなる、できて当たり前という感情になり、認めたりほめたりすることができにくい、などということが起こってしまいます。結局、リーダーと同じ能力を発揮できなければ、認めてもらうこともできず、部下は仕事にやりがいを見出すこともできないでしょう。リーダーとの信頼関係を築くことも難しくなります。
人は、能力も性格も気質も十人十色。必ず良いところもあれば弱いところもあります。それを客観的に見極めた上で、適正な業務の割り振り、関わり方も含めて、一人ひとりの足りないところを指導できる能力がリーダーには求められます。
感情をコントロールし、愛情を持ってメンバーと関わる力が不可欠
そして、リーダーにとって最も難しいのが、常に感情をコントロールして関わらなければならないことです。リーダーも人間です。十人十色のメンバーを以てチームとしての業績を問われる以上、責任と苛立ちに任せて感情を抑えることができないことも多いはずです。しかし、いちいち感情的になっていては、部下は委縮して、仕事の効率も上がらず、何よりリーダーと良い関係を保てなくなります。「叱る」と「怒る」の区別をしっかりと意識して、愛情を持ってメンバーと関わる力は不可欠でしょう。「あの上司は厳しいけれど好きだ」と言われる人が多くいるように、決していつもニコニコしていることが必要なわけではありません。叱るにしても褒めるにしても私的な感情ではなく、信念を持って行うことが重要です。
ただ学歴があって優秀なだけでは難しい「リーダーとしての資質」。つまりは、人をリードしていくだけの人間力が求められるのではないかと感じます。その立ち位置、役割、それを果たすための方法を認識し、これまでの経験や知識、個性を生かして、大きな器で受け止めてくれるリーダーは、部下にとって魅力的な存在となるでしょう。
〝気付き〟によって自発的行動へ導く接遇マナー講師
浜田純子さん(株式会社モアグロウ)
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