連れ去りから子どもを守る防犯教育
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連れ去りに遭わないためには、犯罪者に「チャンス」を与えない
岡山県倉敷市の「小5少女誘拐監禁事件」は、発生より5日後に無事保護され解決しました。ご家族はもちろん、多くの人々が安堵したことと思います。
毎日、警察に寄せられる「不審者情報」や「声かけ事案」ですが、子どもを連れ去りたい者(犯罪者)と、子どもたち(ターゲット)、子どもたちが1人になる瞬間(チャンス)、この3つが揃った時に連れ去り事件は発生します。連れ去りに遭わないための防犯対策とは、犯罪者に「チャンス」を与えないことです。必要なのは犯罪を許さない環境づくりと子どもたちへの防犯教育であって、防犯ブザーやGPS付き携帯などは弱い子どもたちの防犯行動を助ける補助具でしかありません。
では、子どもたちをどのように守ったら良いのでしょうか?子どもたちへの防犯教育の基本「よい子の約束」(警視庁:防犯チェックポイントより)を紹介します。
「よい子の約束」を何度も繰り返し教える
次の4つのことをを繰り返し教えてください。
1、知らない人についていかない
以下のような言葉に気をつけるように伝えましょう。
「犬を一緒に探してほしい…」
「○○駅はどっちにあるの?一緒に行ってくれない?…」
「お家の人(お母さん)が呼んでるから一緒に行こう…」
「おもちゃを買ってあげるよ。一緒に遊ぼう…」
2、 ひとりで遊ばない
年少者は、保護者の目の届くところで遊ばせましょう。また、複数で遊んでいれば、仲間が大人に危険を知らせることができます。
3、外に出掛けるときは、おうちの人に「誰と 遊ぶか(勉強するか等) 」「どこで 」「何時ころ帰ってくるか」を言って出掛ける
約束の時間に帰ってこない時、探す場所の見当をつけることができます。
4、連れていかれそうになったら大声で「たすけてー!」と叫ぶ
声を出す訓練を普段からさせましょう。
「子どもたちには状況で判断できるほど経験がない」を理解する
このような防犯教育「よい子の約束」は古くから言われていることですが、子どもたちの連れ去り事件は一向に減りません。それは、子どもたちが、この防犯教育を理解できていないからです。例えば「知らない人について行かない」では、子どもたちには「知らない人」がきちんと理解されていません。「お母さんが事故で…」と声をかけられると、「お母さんを(が)知っている人」は「知っている人」に、「お菓子をあげるから…」と言われると、「知らない人」が「やさしい人」に変化してしまいます。このように、子どもたちには状況で判断できるほど経験がありません。また「大声で叫ぶ」では、日頃「静かにしなさい!」(理由が不明瞭のケースが多い)と、しつけられている子どもたちが、いざというときに大声が出るわけもないのです。
純粋な子どもたちの心理を利用して、「○○ちゃんの知らない人について行かないでね」といった「約束」を親がするのも有効でしょう。また、カラオケBOXなどを利用して、大声を出して良い場所と悪い場所を明確にし、大声を出す習慣を身につける手法もあります。子どもたちを凶悪な犯罪から守るために、子どもたちと「同じ知識」「同じ経験」まで目線を下げてみてください。
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