職場で飲酒、ガイドライン策定の注意点
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最近、飲酒できるスペースやカフェなどを設けている会社が増加
会社の社内で就業時間に飲酒することは一般的には認められていません。そんな中、仕事中でも「日によっては昼間から飲む」という声があり、その真偽はともかくとして、会社も非公式ながら認めているところもあるのかもしれません。しかしながら、就業時間終了後でも通常のオフィス内においてアルコールを飲むことを許してはいけません。社内の秩序が乱れてしまいますし、就業規則上でも飲酒について厳しく禁止していることに矛盾してしまいます。
最近、執務室と別のところに飲酒できるスペースやカフェなどを設けている会社が増えてきていますが、社内で飲酒をする際のガイドラインを早めに策定する必要があります。今回は、そのポイントについて解説します。
飲酒後は、業務スペースに戻らないようにルールを徹底
あるインターネット広告代理店の会社では、18時以降なら社内のカフェでお酒を飲むことができます。ドリンク代は全額会社負担で、社員同士で熱いディスカッションが始まることもあるとのこと。普段一緒に仕事をしないメンバーともお酒を通じて仲良くなることもあるでしょう。仕事上の課題などを共有し、コミュニケーションを高めるためにはとても良い制度であると思います。
しかしながら、当然、お酒が入ると酔っぱらってしまいます。就業中の他のメンバーに迷惑をかけることになるので、飲酒後は戻って仕事をすることはNGとするルールを絶対に遵守させるガイドラインを作成するべきです。
そして、そのようなお酒を飲めるスペースに出入りすることができる対象が誰なのかも明確にしておきたいところです。取引先やOBの人も入室可能なのかどうかをはじめ、利用にあたっての費用負担、スペースへの入室する人の管理方法、営業時間なども含めて、きちんと全員にアナウンスをし、利用にあたっての注意点などを細かく規定しておく必要があります。
社内とはいえ、飲酒をした場合、帰路の事故は労災扱いとされない
職場内で飲酒していると、居心地が良く、ついつい飲みすぎてしまうということがあるでしょう。帰りに酔っ払ってケガをしたりすることがあってはいけませんので、ある程度、飲酒量の制限をかけることも必要かもしれません。というのも、社内のスペースとはいえ、仕事が終わったあとに飲酒をした場合、原則として、その後の自宅に向かう途中の事故については労災扱いとされない可能性が高いからです。
仕事の流れで業務として部下を強制的に誘うような飲酒スペースの利用の仕方は、できるだけ避けるように会社側もガイドラインを作成しておきたいところです。
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