JIJICO(ジジコ)

  1. マイベストプロ TOP
  2. JIJICO
  3. 医療・病院
  4. エアコンが引き起こす「夏型過敏性肺炎」

エアコンが引き起こす「夏型過敏性肺炎」

カテゴリ:
医療・病院

放っておくと、やがて肺自体が障害されて慢性化

エアコンが引き起こす「夏型過敏性肺炎」

エアコンの欠かせない季節がやって来ました。しかし、小まめにクリーニングをしていないと、匂いやホコリで不快な思いをすることもあるでしょう。特にエアコンの回路中の湿気とホコリを好むトリコスポロンというカビを何度も吸うと、発熱や咳、呼吸困難を症状とする「夏型過敏性肺炎」を発症することがあり、注意が必要です。

これは、カビに対するアレルギー反応によって肺炎を起こすもので、単なる夏風邪と思って放っておくと、やがて肺自体が障害されて慢性化します。そうなってからでは、いくら治療を施しても完全には元の肺には戻りません。風邪の症状に呼吸困難を伴なった時は、ためらわずに医療機関で胸部レントゲン写真を撮ってもらいましょう。過敏性肺炎では、肺全体に特徴的な「すりガラス」模様の影が見られ、血液検査で原因物質を特定することができます。

急性期であれば、1~2週間で治る。しかし、重傷例では入院も

急性期であれば、原因となるエアコンを取り換えたり、引越しや旅行で原因物質を吸わないようにすれば、1~2週間で治ります。しかし、重傷例では、入院して副腎皮質ホルモン剤の内服や点滴が必要なこともあります。

予防は部屋の掃除と換気を小まめに行い、エアコンや除湿器のクリーニングをおろそかにしないことが重要です。カビが引き起こす病気には、他にもアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などがあります。

梅雨から夏にかけてが夏型過敏性肺炎発症のピークです。今から家や学校、職場を点検しておきましょう。

古家敬三

プライマリ・ケア(初期診療)のプロ

内科医

古家敬三さん(古家医院)

Share

関連するその他の記事

コロナワクチンの副反応防止に鍼灸治療は有効かも!!副反応の長期化を防ぐことは可能なのか!?

清野充典

清野充典さん

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

授乳中に冷たい物を飲食すると赤ちゃんに影響が?授乳中のお母さんが気をつけるべき生活習慣について

清野充典

清野充典さん

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

産後の体調を良くする方法は?産婦の日常生活開始時期が大きく関与する!?

清野充典

清野充典さん

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

柱の角に足の指を引っ掛けた後痛みが引かない!! その腫れは骨折かも!?

清野充典

清野充典さん

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

カテゴリ

キーワード