こころの問題<12> 「父なる天(神)」
このコラムで触れた対応法は、あくまでも相手の行為がハラスメントや犯罪には至らない場合の対応です。これが一線を越えるようなひどいハラスメントや人権や人格を激しく傷つけるような場合は、きちんと立ち向かわなければいけません。もちろん個人で行うのではなく、理解者・味方と共に法律を背景に立ち向かうことが大切となります。今回のコラムではそこのところまでは触れていません。
さて「逃げない」で「堂々とした態度」を取る練習をした後は、二つ目の原則はこれ
2つ目の原則は「媚(こ)びない・下手に出ない・取引しない」
一つ目の「逃げない」原則にも関連しますが、ここでは会話や態度のトーンと内容が問題になってきます。
簡単に言えば「下手にでないこと」「取引などをしないこと」。
再びクマの例を出せば、クマに出会ってその被害を避けるために思わず食べ物などを投げつけて、気をそらしたすきに逃げようなどと言う手段をとるということも考えられます。しかしそういう「相手を一時的に満足させて気をそらす」やり方は、結局「餌付け」をしているようなもので、ますます相手は離れていかなくなります。
嫌な相手にお世辞を言ったり、おべっかを言ったり、媚びる方法で相手の手の内に入れてもらう方法は、結局相手の子分になるだけでますます相手は離れていきません。むしろ自分の都合のよいように使い走りをさせられるようになり、泥沼化していきます。職場の上司、お局様やママ友のボスに媚びて保身を図るという日本的な(トランプ対安倍首相!)生き方もわからないではありませんが、結局離れられなくなってしまいます。
もしあなたが「困った人」「迷惑な人」から離れたいのなら次のような方法を取ってみましょう。
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◇◇◇「媚びない」ための具体的な方法◇◇◇
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まず態度については、先にも述べたように凛として堂々とした態度を取りましょう。笑顔も大切ですが、媚びるような笑顔はよくありません。そしてやり取りに関しては、①できるだけ丁寧語を使う ②礼儀正しくふるまう ③やり取りはできるだけ短いフレーズで簡潔にする を心がけます。
①丁寧語 ②礼儀正しさ
これは相手との距離を保つということです。動物でも人間でもプライベート・ゾーンというものがあります。そのゾーンに入るということは、できるだけ避けます。逆に相手はこちらを脅かすために不意を突いてプライベート・ゾーンを突破してこようとしますが、こちらはそれに対してできるだけ距離を置いておきます。自分と相手との間に境界線を引いて他人行儀だが、付け込む隙の無い礼儀正しさは必要です。
③短く簡潔なフレーズ
これは相手に対してできるだけ反応を減らして無関心をふるまうということです。「逃げる」にせよ「媚びる」にせよ、「戦う」にせよ、こちらが何かしらの反応を見せることで相手の攻撃は勢いづいてきます。例えば何か言われても「そうですか(「そうですね」ではないところに注目。「そうですね」は同意したように思われてしまいかねない。)とか「なるほど・・」「だから?」「それで?」等の短くそっけない一言や、相手の言ったフレーズをそのままオウム返ししてこちらの反応を極力付け加えないなどの方法も効果的です。もちろん「全くの無言で無視を続ける」というのも悪くはありませんが、この方法をとると一時的にこちらの反応を引き出そうと、ますます攻撃が増加してくる傾向が出てきます。それでも無視し続けることができれば結構ですが、なかなか根性がいりますね。
ただし直接出会うことは少ないけれど、ラインや電話などを繰り返してくるタイプの場合は、完全無視が鉄則です。何度電話してきても無視し続けます。相手の粘りに負けたり、ちょっとかわいそうになってたまに電話に出たり、返事を送ったりするのは逆効果です。こういう「たまに反応がある」対応をされると相手はますます離れていきません。これを「パチンコの原理」と言ったりしますが、なかなか反応がないのにたまに反応があると、嬉しさ百倍でやめられなくなるのです。ですから本気で離れたいのなら、一時的にこちらの反応を引き出すために攻撃が増えるかもしれませんが、それを承知で「徹底無視」が原則でしょう。そのうち相手もあきらめます。