シンボリズムの森 ③ 「森」のシンボリズム
今日の象徴は「塔」をとりあげます。
いきなり「塔」を取り上げると言われた、なんでや?と思われた方もいらっしゃるかも。
実はそれには理由があるのです。
その理由はシンボリズムの森⑨で「上へと向かう方向性」の意味を取り上げましたが、この塔というものはまさしく、上下の垂直軸を表しているからです。
塔と言えば、皆さん、どんな姿を思い浮かべますか?五重塔?それともガウディのサグラダ・ファミリァ?中にはドラゴンボールのカリン塔を思い出す人もいるかもしれないですね。塔は世界の各地で見られる建築物です。
箱庭などでもよく使われますね。
◆西洋の塔◆
大きく分けて塔には「西洋の塔」と「東洋の(仏教の)塔」の2つの種類があるといってもいいかもしれません。梅原猛は名著『塔』のなかで「ヨーロッパの塔が、限りなく上昇する生への意志を示すもの」であるといっています。神のいる天上へ近づきたいと言う意志の現れであると言うことです。これは前に触れたとおり、理想や目標を目指して生きる努力の象徴であると言えるでしょう。
こういう西洋タイプの塔が日本や中国の塔と違うところは、大体において塔の頂のあたりに展望台というか、「神の視点」を体験できる設備が伴っています。そしてそこにたどり着くために階段が付随していて、その階段(まさしく「天国への階段」)を登ることによって少しでも神の存在に近づきたい、という人間のあこがれや夢がこめられているのです。
そしてそこには自分の夢や理想をかなえる万能の力を手に入れたいという願いが込められています。具体的にどういう夢をかな得たいと思っているのかは人それぞれでしょうが、夢や箱庭で西洋の塔が現れた時、そのクライエントにとっての理想は何なのか、自分の夢をかなえるためにどういう努力をしようとしているのか、を考える必要がありそうです。
では「東洋の塔」は主にどういう意味がこめられているのでしょうか?
それはまた次回。