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岸井謙児

カウンセリング歴35年、経験と信頼のカウンセリングのプロ

岸井謙児(きしいけんじ) / 臨床心理士

カウンセリング・オフィス岸井

コラム

シンボリズムの森①  シンボルって何?

2018年5月30日 公開 / 2020年7月20日更新

テーマ:シンボリズムの森

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

さて、今日は最初にシンボルについて話をしたいと思います。

あなたは夜「夢」を見ませんか?「将来の夢」とか「見果てぬ夢」というような夢ではありませんよ。夜寝ている間に見ている夢のことです。

夢というのは、突拍子もない状況や非現実駅なストーリーに満ちていますよね。でもなんでそんな夢を私たちは見るのでしょうか?

それは私たちの世界が多層的な世界だからです。たとえば「身体レベルの世界」「行動の世界」「イメージやシンボルの世界」「意識的な言葉の世界」などなど、私たちは様々な世界に多層的に生きているのです。
それを感じささせてくれるのが、相談に来て下さるクライエントや子どもたちなのです。

不登校の子供たちに多く見られるのは、「起きて学校に行こうとするとおなかが痛くなる」というような身体症状です。
それから「学校へ行きたくない」という行動で自分の気持ちを表現してくれます。しかしそれは本人たちも「どうしてそんな状態になるのか?」その気持ちや意味は分かりません。でもとにかくおなかが痛くなって、学校へ行かなくなってしまうのです。

そういう子供たちと一緒に絵をかいたり、夢の話をしたりイメージで関わっていると、見事にイメージでその気持ちや背景を表現してくれる時があります。それでも彼らは「この絵はこういう気持ちを描こうと思って描いた」なんてことは気が付いていません。ただただ描きたいものを描いただけ、昨日見た夢を教えてくれただけです。いわば無意識の世界なのです。ただこの時語られるあるいは描かれる内容には見事に「シンボリック」な意味が込められています。私たちカウンセラーはそれを読み取って彼らの「言葉にならない気持ち」に共感することが必要です。

ところがそうこうしてしばらく彼らと関わっていくと、今度は彼ら自身が彼らの言葉で、絵や夢に表された気持ちをこちらに話してくれるのです。やっと自分の気持ちが「意識的な言葉の世界」に降りてきた、というところでしょうか。
こうやって彼らは自分の気持ちを自覚して、「ではどうすれな良いか」ということについて初めて「悩むこと」ができるようになるのです。具体的に「悩む」には、やはり言葉の世界に降りてきてもらうことが一番大切でしょう。

つまり「シンボル」とは「言葉になる一歩手前」の世界なのです。このシンボリックな世界をある程度知っておくことで、私たちは彼らの世界への理解の橋渡しをすることが可能になります。そして彼らが自分自身の言葉で自分の問題や気持ちを語ってくれるのを待っているのです。

ということで次回から様々な具体的な事物や状況などの「イメージやシンボリックな世界」を一緒に見ていきたいと思います。

次回まず取り上げるのは、新緑が目にまぶしいこの季節を考えて、「木」のシンボリックな意味について。

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