人からの注目を求めている「演技性パーソナリティ障害」

2016年12月5日

テーマ：こういうことでお困りではありませんか？

コラムカテゴリ：メンタル・カウンセリング

このテーマでは、いくつかのこころの問題について簡単な説明をしてます。もしかしたら自分が当てはまると思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、くれぐれも自己診断せずに、気になる場合は必ず信頼できる専門の医師に受診してください。私たちカウンセラーは診断はできませんが、メンタルなケアが必要な場合はお力になれるかもしれません。ご相談下さい。

さて今回取り上げるのは、「演技性パーソナリティ障害」。演技というからには芝居や役者ですが、その名の通り、自分への注目や関心を集めたいがために、芝居がかかった嘘や目立つ行動をしてしまうことを特徴としたパーソナリティー障害です。
たとえば具体的には以下のような症状があります。

自身が注目・関心の的になることを常に求めたり、自身が話題の中心じゃないと不機嫌になる / 自身の外見やステータス、性的魅力を過剰に気にする / 感情表現が大げさで子供っぽさがある / 他人や環境等に影響を受けやすい / 性的な挑発または誘惑的な行動を取りやすい / 興奮しやすく、精神状態が不安でうつになりやすい …などですが、基本的に大げさな感情表現や言動で他人の注目を集めたいという背景があります。

この間もある青年が自分の生い立ちを話し始めたと思ったらすぐに、大声で泣きはじめ驚いたことがあります。確かにつらい過去なのかもしれませんが、話し始めたらすぐに大泣きに泣くのはちょっと・・と疑問を感じました。案の定、次回の面接には現れず、念のために最近の様子をそれとなく聞いてみると、もう先日の涙の時間のことなど全く触れることもなく、ちょっと拍子抜けしたことがあります。彼が診断を受けたかどうかは知りませんが、あまりに感情表現が大げさな様子には違和感を覚えました。

必ずしもわざと意識した演技をしているわけではないのでしょうが、彼以外にも突然歩けなくなったり、しゃべれなくなったりする身体的な症状を見せる方もいらっしゃいました。周囲の人の対応としては、当然心配はしますが、決して動揺して振り回されないような冷静な対応が求められます。その上で一見目立つ言動の背景にある、愛情希求や孤独感に思いをはせる対応が必要でしょう。

◇◆◇　こんなことお困りではありませんか？　◇◆◇
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