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ディスレキシア(難読症)の少年がマジシャンに!コミック「ファンタジウム」

岸井謙児

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テーマ:こころの問題

最近知って、今読んでいるコミックがこれ



マジシャンとして天性の才能を持ちながら、何ものにも縛られることなく自由に生きる少年・長見良(ながみ・りょう)を巡るストーリーですが、実は良少年には一つだけ本人を悩ませる問題があったのです。それは、字が読めない「難読症」と呼ばれる障害。
ディスレキシア(難読症)とは、学習障害の一つで「読字障害」とも呼ばれます。知的能力障害とは違い、全般的な理解力は低くはないのですが、なぜか「文字」に関してだけ読むことに困難があります。

これについては以前別のところでまとめましたので興味のある方はこちらをどうぞ。
怠けているわけじゃない!LD(限局性学習症)
実はこのコミックについてはまだ全部読み終えていないので、あまり詳しくは言えませんが、主人公の良少年は確かに字を読むことは苦手であったとしても、それ以外の点では問題はないと言えます。それどころか、天才的なマジックの才能を持っていて、それを見出した男性とともに自分の生きる道を切り開いていく、というストーリーです。

これはコミックの世界の話だろうと思いがちですが、実はそうでもないのですよ。マジシャンではありませんが、字が読めなくてもその人なりの才能を開花させて活躍されている方はいらっしゃいます。例えば、映画俳優のトム・クルーズさん、キアヌ・リーブスさん、オーランド・ブルームさん、それに映画監督のスティーヴン・スピルバーグさんなどもディスレキシアと診断されたそうです。

それどころか、かのトーマス・エジソンさん、レオナルド・ダビンチさん、アインシュタイン博士まで!!もちろん彼らのようなとびぬけた才能を持っていない人もたくさんいらっしゃるので、日常生活での苦労は大変でしょう。本人の努力不足ややる気がないからだと小さい頃は非難されることが多いために、「やる気があっても、どれだけ努力しても読むことがむずかしい」という御本人の苦しみがなかなか理解されません。身体の障害と異なり、なかなか目に見える障害ではありませんから。

こういう実際のご本人の苦しみをコミックという手段で多くの人にわかってもらうということは大変大切なことだと思います。あなたも、もしよろしければ一度読んで見てください。
なおこのコミックと同じように、ディスレキシアを取り上げた映画に、キャメロン・ディアス主演の「イン・ハーシューズ」があります。
興味のある方はこちらも!

「イン・ハー・シューズ」


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岸井謙児(臨床心理士)

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カウンセリング暦35年。子供から大人まで、うつ・対人関係の悩み・発達障害・不適応・ひきこもりに関わる問題に丁寧に、かつ誠実に対応します。また全国から電話・スカイプなどでも相談を多数受け付けています。

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