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彼女たちの背後に広がる深い闇・・・目をつぶって綱を渡るような女子高校生の日々「少女」

岸井謙児

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テーマ:「こころ」を描いたこんな映画

一歩間違えば、深い闇に背後から落ち込んでいくような、ヒリヒリする不安な日々を描いた作品「少女」を見ました。



実は原作は湊かなえさんだということや、すでに有名な作品本屋に山積みの小説だったということも、不覚にも全く知らず、単にネット上の映画の紹介文を読んで興味が湧いて見に行ったのでした。でもそれは大正解!!

なにしとストーリーの展開の中にさまざまな伏線が張られていて、そうとは気づかずにみているとあっと驚かされながら物語が深く展開していきます。さすが湊かなえさんだと思われましたが、先に原作を読んである程度予備知識があるよりも、私にとっては新鮮な出会いでした。それにしてもトリッキーな仕掛けなので、ちょっとできすぎという感じもしないではないのですが、それよりも何よりも主人公2人の女子高生役の危うげな艶というか女子高生の不安定さを見事に醸し出されていたと思いましたね。

ネタバレになってしまうと面白さ半減なので、具体的に説明できないのがもどかしいですが、思春期の年代の「生と死」のテーマから、学校での「正義と悪」のテーマ、「性の持つ危うさ」などなど、まさしく「少女の持つ幻想のような危うさ」と「脱皮を遂げる『さなぎ』の年齢の身動き取れない苦しさ」が感じられましたね。なお主人公二人は本田翼さんと山本美月さんというフレッシュで本格的なお二人。年齢的にもイメージもぴったりでした。私がスクールカウンセラーとしてよくお会いする子どもたちも、中高生の思春期年齢。大人でもなく、子どもでもない危うさと同居している年齢です。なんだか彼らとダブるところもあり、とても身近な映画でした。

それからこれはびっくりしたのですが、途中に出てくる冴えない会社員にあの、稲垣吾郎さん。これまたなんというか、浮遊感があって危うげで身元のしれない陽炎のような不思議な香りを出されていました。
今からでも遅くないですよ、興味があれば映画館でぜひ!

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岸井謙児(臨床心理士)

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カウンセリング暦35年。子供から大人まで、うつ・対人関係の悩み・発達障害・不適応・ひきこもりに関わる問題に丁寧に、かつ誠実に対応します。また全国から電話・スカイプなどでも相談を多数受け付けています。

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