やなせたかしさん「絶望の隣は希望です」
結構ふるい本(1996第1刷)で申し訳ありません。いままで読んだことなかったのですが、いよいよ佳境を迎えた「とと姉ちゃん」で大活躍の唐沢さんの本。たまたま古本屋で見かけたので買ってみました。と言っても帯には「1997年より高等学校「現代社会」の授業サブテキストに採用」とありますから、有名な本なんでしょうね。今でも採用されているのか、わかりませんが、内容を読んでいると、さもありなん、という感じです。
“ずっとずっと「ひとり」だった。学校から抜け出し、家や養成所からは追い出された。食べるためにもぐりこんだバイト先にもなじまなかった。自分たちで作った劇団も消滅した。居場所がなかった。それでも一つだけわかっていたことがある。役者になりたかった。”
う~んこれだけを読んでも唐沢さんの演技だけじゃない生き様みたいなものから感じられる「ギラギラ感」みたいなものを感じて納得してしまいます。以前織田雄二さんの本「脱線者」を読んだときにも、なんとなく織田さんに一匹狼みたいな匂いを感じましたが、唐沢さんも間違いなく自分の道をひたすら進むタイプのようですね。
そんな唐沢さんだから、あの名作「白い巨塔」の国立浪速大学第一外科助教授・財前五郎という個性的な役を演じられたのでしょう。あの役も、国立大学病院という医者・大学教授という厳しいヒエラルキーの中を必死でなりふり構わず上昇していく役柄でしたから。
こういう本を読んでからいろいろな演技を見ると、役者さんのことが身近に感じられるから不思議です。今のテレビのCMはどんな気持ちでやっているのかな、とかね。この本自体は「ひとり」で生きてきた彼が山口智子という伴侶を得て「ふたり」で生きるようになった生き様をかなり正直に書かれています。彼は「とにかく役者になりたかった」のが、見事役者になることができたわけですが、今の心境はどうだろうか、とちょっと聞いてみたくなる本でした。
おもしろかった。一気に読み終えました。唐沢さん、よければ続編を出してください。
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