映画「精神」:「病と共に生きる人」、そしてその彼らと共に生きる人
あなたにもぜひ見てもらいたい素敵な映画があります。それは「バルフィー、人生に唄えば」。
写真を見てもらえばわかるようにインド映画です。主役はランビール・カプールさん。と言ってもあまり知られていないでしょうが、なかなか優男でちょっとショーン・ペンに似ているかも。ところがこのランビール・カプールさん、とても演技派で役柄は聾唖の男性、つまり聴覚障害者で言葉もあまりうまく使えません。ですが、とても愛嬌があって素直でかわいらしい。しかも大変感受性が良く、相手の気持ちを感じながら、とてもサービス精神旺盛で相手の人を虜にしてしまうようなユーモアのある男性なのです。
その演技は言葉がないので当然かもしれませんが、パントマイム中心でチャップリンやバスター・キートンのキャラクターを受け継ぎ、表情や全身を使った素敵な演技を披露してくれます。そこだけでも見ものです。こちらの気持ちがホッコリと暖かくなって行くのがわかります。
その愛嬌ある主人公バルフィに二人の女性が関わってきます。一人は冨も地位もある男性と結婚し、何不自由なく暮らしていたシュルティ。これがまた美人。ぞくぞくするような目の女優さんです。そしてもう一人は家族の愛情を受けずに育った自閉症のジルミル。ジルミルは幼い頃に養護施設に入れられて育ちますが、家族の都合で引き取られます。さらにその家族の遺産争いに巻き込まれて、さまざまな事件が起こっていくのですが、それは見てのお楽しみ。
お金の問題や身分の違いや障害の問題やら色々な問題がバルフィーとシュルティ、ジルミルを振り回しますが、その中を人と人との誠実で純粋な愛情や葛藤、嫉妬などを織り交ぜながら物語は進んでいきます。ストーリーに引き込まれながら目を離さずにいると、2時間30分があっと言う間にすぎてしまいます。
インド映画と言うと歌って踊ってのエンターテイメントを想像しますが、この作品は爽やかな人間愛の物語です。自閉症のジルミルと聴覚障害のバルフィの「言葉によらない会話」がとても素敵。気持ちを通じ合わせる、と言うことはこう言うことを言うんだ、そしてそれには言葉など必要ないのかもしれない、と実感させられて、思わず涙を流してしまいました。
それから挿入歌がこれまた素敵なのですよ。
この夏、何か素敵なDVDはないか、と探しているあなたに、ゼヒこの作品をお薦めします!
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