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凶悪事件を生み出した家庭の息苦しさを描いた映画「葛城事件」

岸井謙児

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テーマ:「こころ」を描いたこんな映画

今上映中の映画ですが、こういう作品を見てきました。



作品を見た人のコメントを見ている中で「二度と見たくない名策作」と表現されている方がいらっしゃいましたが、さもありなん、という感じを持ちました。現在公開中なのでネタバレしてもまずいでしょうから、詳しくは言えませんが、ある凶悪事件(モデルにした事件は沢山あったそうですが)を起こした青年をめぐる家族、特に父親を中心とした「普通の家庭が歪んで崩れていく様子」を描いたストーリーでした。

特に主人公の「父」を演じた三浦友和さんが熱演でしたが、私が思うに実際のこういう事件を生み出した家庭・家族の歪みはこの作品程度の物ではないような気がします。三浦さんの演技には、あまりあくどさや異常性は感じられませんでしたが(あくまでも私の印象です)、実際のあくどい人々の雰囲気はもっと危機感を感じさせるものだと思います。

そういう意味で、事実をモデルにしてはいるものの、映画よりも事実の方がもっと「奇なり」というとこではないでしょうか。ですが犯罪と犯した本人を中心に据えたのではなく、家族のあり方や父親を中心にした作品は視点として面白いと思いました。
もちろん、犯罪を犯したのは本人であり、ご家族の責任を追及するつもりはありませんが、心理カウンセリングに関わる者として興味深い視点でした。

まだ、映画館でやっているかな?興味があればぜひ!

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岸井謙児(臨床心理士)

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カウンセリング暦35年。子供から大人まで、うつ・対人関係の悩み・発達障害・不適応・ひきこもりに関わる問題に丁寧に、かつ誠実に対応します。また全国から電話・スカイプなどでも相談を多数受け付けています。

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