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わたしはもっと、もっと、もっと、いっぱい、いっぱい しゃべりたい!!絵本「どもるどだっく」

岸井謙児

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テーマ:大切なことは絵本から学んだ

☆☆☆大切なことは絵本から学んだ<132>☆☆☆ 今日取り上げる絵本はこれ!



“わたしは、もっと、もっと、もっと、もっと、いっぱい、いっぱい、しゃべりたい!”この言葉が胸にぐさっときて、その絵を見ているとなぜだか、たまらなく愛おしさが溢れてくる絵歩「どもるどだっく」!

先日本屋をぶらぶらしていたら思わず目に飛び込んできました。表紙に描かれた女の子は、人気料理家 高山なおみさんご自身だそうです。高山さんのブログ「ふくう食堂」を拝見するとこの絵本の紹介コーナーに次のような文章が載せられていました。
「妊娠、出産するのはなにも年頃の女だけではない、と、かねてより思っていました。
ときには男も、適齢を過ぎた女も、妊娠、出産するのです。
それは当人の思う思わないに関わらず、体内の奥深くにふと宿ります。
そして時を経るごとに大きくなっていくのですが、この心的胎児は、下にではなく上の方に上がっていきます。
そして、気づくともう宿主の喉元をいっぱいに膨らませて、外に突き出る機会を伺っているのです。

高山なおみの陣痛がはじまった、と、この本に書いてあるように思いました。 (ボイラー室、記)」
この「ボイラー室」さんがどなたなのかわかりませんが、もしかしたらご本人かな?ちがっていたらごめんなさいm(__)m。でも何だかものすごく伝わってくる文章でした。

実は私も小さい頃少し吃音がありました。その時の感触が少しよみがえって来て、とっても伝わってくる絵本なのです。そうなんです、「気づくともう宿主の喉元をいっぱいにふくらませて」いるのですが、どうしてもスムーズに外に出てこない。もどかしいようないらだつような、本人もどうしようもない感覚。

「ゆっくり、おちついてしゃべりなよ」っていわれても、それができないから困っているんだ!でもこの喉元に、この胸の中に、この体の中一杯に「しゃべりたい!」っていう思いが破裂しそうに膨らんでいるのです。その体中に膨満する混沌とした生きるエネルギーを見事に絵にしてくれたのが、中野真典さん。素晴らしい、というか凄い!!

久々に、そして個人的に感動尽きない本でした。
ちなみに「どもるどだっく」というのは高山なおみちゃん当時4歳の時にみっちゃんにつけられたあだ名だということです。子どもは残酷だけど、ご本人は「結構、きにいってた」らしいですよ。興味をもたれたらゼヒ!



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岸井謙児(臨床心理士)

カウンセリング・オフィス岸井

カウンセリング暦35年。子供から大人まで、うつ・対人関係の悩み・発達障害・不適応・ひきこもりに関わる問題に丁寧に、かつ誠実に対応します。また全国から電話・スカイプなどでも相談を多数受け付けています。

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