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コラム
やなせたかしさん「絶望の隣は希望です」
2016年6月18日
今日取り上げた本はこれ
やなせたかしさんといえば、言わずと知れた「アンパンマン」の作者であり、「手のひらに太陽を」の作詞家でもあります。そのやなせさんが人生の言葉として取り上げたのが、「絶望の隣は希望です」。その理由は東日本大震災があったと言うこともあるのですが、岩手県陸前高田市の奇跡の一本松にご自分の人生を重ねて振りかえられたからだと言います。
◆コンプレックスのかたまり
“振り返れば、若い頃と言うよりは、なんと50歳ぐらいまで僕は、失意と絶望の連続でした。ずっーと何十年ものあいだ、「自分は何をやっても中途半端で二流だ」と思い続けていました”漫画家をしながら代表作もなく、“「もう売れることはない。そろそろ引き際だ」ーそう思ったとき、アンパンマンがヒットし始めたのです。もう60歳を遥かに過ぎていました”ご自分のことを「大器晩成」ならぬ「小器晩成」だ、とながらも、90歳を越えた現在まで現役でお仕事をされているやなさせん。人生、本当に何が起こるかわかりませんね。
◆戦争体験から産み出されたもの
そのやなせさんがアンパンマンを考え出したのには、ご自身の戦争体験がありました。“正義のための戦いなんてどこにもなく、正義と言うのは、ある日突然逆転するものである”と言うことでした。そこからさらに“そこで僕は考えたのです。覆らない正義、本当に信じられる正義とはなんだろう”その考慮の結果、“覆らない正義”というのは「ひもじい人を助ける」ということなのではないか。“これは日本にいようが、アメリカにいようが、ロシアに行こうが、どこへ行ってもただしいこと。どこの国でも唯一、変わらぬ正義です。”そんな思いから、困っている人に自分の顔をちぎって与えるアンパンマンが生まれたのだそうです。
アンパンマンの誕生にはそういうやなせさんの人生をかけた思いがあるのですね。そういうことを知れば、これからアンパンマンの見方が変わってきますね。
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