ドキュメンタリー映画「徘徊」:認知症の母と娘の日々を描いた作品
今回紹介する映画はこれ
この映画、ジョニーディップのファンなら見逃す手はないですよ。
ストーリーはこころを病んだ妹を見守る兄と、その妹と恋に落ちる風変わりな青年との交流を描く青春ドラマなのですが、なんといっても若き日(1993)のジョニーディップの初々しく、コミカルで愛くるしい演技が素敵!
ドラマ自体は、精神障害を抱えた妹(ジューン)を介護する兄(ベニー)という軸を中心に展開します。妹は日常的にいろいろな問題を引き起こし、それの後始末に兄は自分の恋愛や生活を後回しにせざるを得ない、という設定です。コミカルに描かれてはいますが、現実的な問題ですね。
障害を持った本人の生きづらさもさることながら、家族の苦しみや負担は如何ばかりか、と察します。両親が一番悩む問題は、自分たちが生きている間は自分たちがその負担を背負うとしても、自分たちが死んだ後どういうことになるのか、考え出せば悩ましいことばかりでしょう。
この映画でも、兄の様子を見かねた医者は、妹を福祉施設に入れることを再三勧めるのですが、兄は首を縦には振りません。しかしそこへ、ジョニーディップ演じるサムが現れます。
サムは一見普通ですが、実は読み書きができません。今で言えば学習障害でしょうか。しかしチャップリンやキートンの真似がとても上手で、そういう意味ではクラシック映画のパントマイムにこだわりがある青年です。一風変わっていて、アイロンで食パンを焼いて食べたりします。
ジューンとサムの二人がいろいろな困難を越えていつしか恋に落ち、駆け落ちをするのですが・・・・・。詳しくは映画を見ていただければよいのですが、最後にはお互いを補いながら生きていくことになるというハッピーエンドなファンタジー映画です。
障害と人生を考えさせられる映画としてはファンタジックな結末ですが、しかしこういう結末を用意できるアメリカのたくましさ、前向きさには感心させられました。
◇◆◇ こんな映画も!
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