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「人生の反対側」を見てしまった家族の物語「普通の人々」

岸井謙児

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テーマ:「こころ」を描いたこんな映画

数ある印象に残る映画の中でも、私のとって忘れられない映画の一つがこれ。

“・・・・平穏な生活が一つのことで一変してしまった・・・・・”と苦渋に満ちた表情で一家の父親が語るシーンは、フィクションとは思えない真実味を帯びています。

普通の人々

「一つのこと」とは、愛する息子二人がある日、悪天候の中ヨットで海に出てしまい、そこで遭難してしまう事件のことなのです。二人のうち、長男バックが亡くなり、次男コンラッドだけが助かるのですが、その後その事件の思い出がフラッシュバックしてきて彼を苦しめます。同時に長男を溺愛していた母親は、長男の死を受け入れられずにその場にいて一人助かった次男コンラッドをも受け入れられなくなるのでした。

その後、さまざまな家族の葛藤を、ヒリヒリするようなやり取りと苦悩を通じて描いてドラマは進行します。
ただ、そこで精神科医のドクター・バーガーとかかわるようになり、次男と父親は少しずつ自分の本当の気持ちに気が付いていくのでした。ただ、残った母親だけはどうしても自分に向き合うことができずに・・・・・。

詳しい展開はぜひ本編でご覧いただきたいのですが、「人を助けるのは人なのだ」、ということを伝えてくれる映画です。

家族とは何か、家庭とは何か、愛とは何か、親子とは何か、夫婦とは何か。さまざまな問題がこの一家にこの事件をきっかけに顕在化します。といっても、決して他人事ではない、まさしく「普通の人々」の普通の生活・家族の中に潜んでいる部分でしょう。前回、「母なる証明」でも触れた、「普段は気がつかないが確実に存在する人生の反対側」を見てしまった家族の物語と言ってもいいかもしれません。

映画のストーリーもさることながら、この映画は1980年のアカデミー賞作品賞、監督賞、助演男優賞、脚本賞にも輝いています。監督賞をもらったのが、なんとあの「ロバート・レッドフォード」。俳優としてはアカデミー賞はもらっていませんが、監督としての力量はこれ以外の作品を見てもわかるとおり、ピカイチですね。私の一番好きな監督さんの一人です。

助演男優賞が、ティモシー・ハットン。若干二十歳でした。こんな難しい役をよく演じられたものだと感心しました。
母親役のメアリー・タイラー・ムーアさんの演技もすばらしいの一言です。さらに父親役はドナルド・サザーランド。ん?聞いたことのある名前だぞ?と言う人もいるでしょう。あの大ヒット・テレビドラマ「24」の主役「ジャック・バウアー」を演じたキーファー・サザーランドのお父さんですよ。
なんとも話題満載の映画でしょ。

ちなみにキーファー・サザーランドをwikipediaで調べていたら、彼の本名は
「キーファー・ウィリアム・フレデリック・デンプシー・ジョージ・ルーファス・サザーランド(Kiefer William Frederick Dempsey George Rufus Sutherland」
というのだそうです。な、長い・・・・寿限無のような名前ですね。

興味のある人は、一気に3回早口言葉でどうぞ!ま、どうでもいいことですけど・・・・
内容と関係のない話ばかりになりましたが、とにかくお薦めの映画です!
・・・ただし内容はかなり重たい映画であることをお忘れなく・・・・

◇◆◇ 人生の光と影を描いたさまざまな映画
映画「少年は残酷な弓を射る」:少年はどうしてこんな残虐な行為をしたのだろう?
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/51890/
アニメ映画「Colorful(カラフル)」:思春期の少年が人と自分を信じられるようになるまで
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/51903/
あやしうこそものぐるほしけれ 映画 「17歳のカルテ」
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/52565/
映画「デタッチメント 優しい無関心」:みんなが誰かの助けを求めている
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/52294/
映画「精神科医ヘンリーカーターの憂鬱」:精神科医は自分を治療できるのか?
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/52105/
映画「エレファント・ソング」:助けて・・・・僕は誰からも愛されてこなかった・・・
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/52288/
映画「マーサ、あるいはマーシーメイ」:マインドコントロールから抜け出す苦しみ
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/52112/
「hikikomori」を描いたドキュメンタリー映画を紹介します。
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/52107/

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岸井謙児(臨床心理士)

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カウンセリング暦35年。子供から大人まで、うつ・対人関係の悩み・発達障害・不適応・ひきこもりに関わる問題に丁寧に、かつ誠実に対応します。また全国から電話・スカイプなどでも相談を多数受け付けています。

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