ドキュメンタリー映画「パンク・シンドローム」:これは元気をもらえる映画ですよ!!
今回見た映画はこれ
“悪い記憶や病気の元になる心のしこりを消すことができる秘密のツボがある。
膝のくぼみから5寸上にあがったところ・・・・”
母は息子に面会室のガラス越しにそう言って鍼灸の針を取り出しました。
「母なる証明」、この映画は、知的な障害を持つ息子と母親を巡る物語です。物語自体は、ある女子高生の殺人事件の犯人の容疑をかけられた息子の無実を証明するため、必死で真犯人を探す母親の行動が中心になっていますが、そのドラマの語るところはそれだけではありません。
実は、昔ある突然、私はあることに気が付いてしまったことがあります。それは・・・・
「人生には今の日常生活とは別にもう一つの人生があるのではないか。その人生の裏面には普段は気が付かない。しかしある時突然見てはならない人生の裏面を見てしまうことがある。そこはゾッとするほど恐ろしい暗闇の世界だが確実に存在していて、何かの拍子に人はその入り口から中を覗き込んでしまうのではないか」ということでした。
時々「出来心で」とか「魔がさした」とか「あの時はどうかしてたんだ・・・」などと思う経験はありませんか?メディアを賑わすさまざまな事件・事故の中にもきっとそういうことが関与している場合があると思います。「あの真面目な人が・・・なぜ?」とか。
なんでこんな話をしたかというと、この「母なる証明」で主人公の息子と母親の二人は,その人生の「振り返って見てはならない裏面」を見てしまう経験をするからです。息子は刑務所の中で、同じ囚人に馬鹿にされたことからけんかになり、ぼこぼこに殴られてしまいます。ところが、それを心配する母親に対して彼はこう言うのです。
〝ぼこぼこに殴られて、思い出したことがある。母さん、昔僕に農薬を飲ませて殺そうとしただろう〟
それを聞いた母親は思い出してはならないことを思い出してしまい、パニックになってしまいます。それだけでなく、その後物語では、殺人事件の犯人を探るうちに、母親は再び見てはならない事実を見てしまいます。そしてその事実から自分たちを守るために無実の人を犯人に仕立てる犠牲を強いることになるのでした。しかも息子と同じ、障害者を。
具体的に言うとネタバレになってしまうので、見てもらうしかないのですが、いずれにしても私たちは人生の裏面を忘れ去ることで日々の何気ない日常を送れているのでしょう。そのためには他人を犠牲にすることで自分を守ることもあるでしょうが、それでもやはり人は生きていかなくてはいけないのです。
最後に母親は自分の膝のくぼみの上5寸のツボに、自分で針を刺し、日常生活へと戻っていくのですが、この母親を責めることはだれにもできないだろう、と思う気持ちと、それでいいのだろうか、と言う気持ちで心が揺れ動いた映画でした。
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