大切なことは絵本から学んだ ① こころの「とげとげ」の針は、自分にも突き刺さる 「とげとげ」
「子どもにとって夜は、禁じられた世界のようなものだ。なにしろ、おやすみを言ってベッドに入らなければならない時間なのだから。けれど、だからこそ、夜はわくわくするような魅力に満ちた時間なのである」 これはこの絵本「ながいよるのおつきさま」の絵を描いたマークシーゲルさんの「あとがき」からの言葉です。
今日紹介する絵本はこれ
“むかしむかし ひとびとは そらに うかぶ おつきさまに なまえをつけた
1ねん 12かげつ それぞれの つきに それぞれの まんげつ ひとつひとつの まんげつに なまえを つけた”
日本では月の満ち欠けを表す月齢に応じて様々な名前がついていますね。例えば「三日月(3日目)」「上弦の月(7日目)」「十三夜月」「満月」「十六夜」「下弦の月(23日目)」などなど。もっと詳しくついているそうですが、この絵本のシンシア・ライラントさんは、アメリカのネイティヴ原住民の人たちが付けた毎月の月の名前を素敵な言葉で教えてくれます。
例えば1月は「stormy moon(1がつは あらしの おつきさま)」2月は「snow moon(2がつは ゆきの おつきさま)」と言う具合です。その言葉に添えられた絵がこれまた素晴らしい。
月の光は太陽の光とは違います。太陽は自ら光を発し、この世の暗闇をすべて明るみに照らし出す光。強くて、ものごとを客観的に、静視させる光ですね。例えて言えば、病気の原因をはっきり見つけ出して、患部を切り開き、手術するような光。
一方、月の光は太陽とは違う働きをします。何しろ月は太陽と違い、自ら光を発しません。あくまでも太陽の光を自らの身体を使ってやわらかく反射させる光です。ですから太陽のような強さや容赦のない厳しさはありません。逆に、柔らかくものごとを癒してくれる光。例えて言えば、看護師さんの存在です。
医者も看護師さんもどちらも一方だけでは効果が半減します。両者ともなってこそ。この絵本の言葉と絵を見ていると「癒しの光」を思い出させてくれるのです。
ちなみに1年の最後の月、12月は「long night moon」と呼ばれるそうです。
“そして 12がつは ながい よるのおつきさま
あさが くるのを まって まって まちつづける じっと しんじて まちつづける
この おつきさまは おまえの ともだち”
◇◆◇ 夢見るような絵本の世界
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