痛烈に精神療法・心理療法を皮肉ったコメディ映画「おつむてんてんクリニック」

今回見たDVDはこれ

原題は「What about BOB?」なのに、なぜか邦題は「おつむてんてんクリニック」なんでこんなタイトルつけたのかわかりませんが、これじゃ全くセンスないし、面白さが伝わってきません。ちょっと差別的なニュアンスもあるし・・・。

しかし内容は、かなり上質のコメディ。それもアメリカの精神科医療（心理療法も含めて）に対する痛烈な皮肉ですね。
そしてなにより面白い！ま、自分がカウンセリングなんてやっているから、余計面白いのですが、それより俳優さんが素晴らしい。

主役の精神科クリニック荒らしをするような重症の強迫症患者ボブに、映画「ゴーストバスターズ」で主役の博士の一人「ピーターベンクマン博士」を演じた、ビル・マーレイさん、そして、「ベイビー・ステップ」なる新精神療法を産み出し、その本が大ヒット中と言う設定の精神科医レオ・マーヴィン博士に、なんと映画「ジョーズ」で鮫の専門家である海洋学者フーパーを演じたリチャード・ドレファス。２人とも名優なので、見ていてとても楽しい！

ボブは筋金入りの（？）強迫症患者で、これまでたくさんの精神科医にかかっては彼らを悩ませたり、廃業に追い込んだという経歴のつわもの患者さん。と言っても、悪意は全くなく、むしろ大変素直で治療者に過大に転移を起こしてしまうのです。
さらに人柄が大変温和で周囲の人を和ませるため、いつしか治療者の家族と仲良くなり、休暇中の博士の別荘で一緒にバカンスを過ごすことに。

ま、ここら辺はとりあえず私も治療者の端くれとして、実際にこんな患者さんが来られたら、と思うとちょっと博士に同情しますね。なにしろストーカー並に治療者の後を追い続け、治療者に信頼と忠誠の限りを尽くすのですが、博士は患者としてしか見ていないので、有難迷惑。

次第に立場は逆転し、困り果てた博士はとうとうボブを、なんと爆薬で殺そうとするのですが、ボブはこの策略を「必殺療法」と理解して何と病状が改善！ボブの病状と反比例して博士は精神に破たんをきたし、ついに病院に入院・・・というストーリー。面白いですよ～、なかなか。

最後のテロップでは、なんとあのボブが後日精神科医になり、「必殺療法」と言う本で有名になったが、博士は「必殺療法」は自分が産み出した方法だ、と現在訴訟中、との文章が。

もちろんギャグですが・・・(^^;)

興味のある方は、一度レンタルビデオ屋で、ご覧ください。
それにしても邦題が、センスないよな～～～(-_-;)

◇◆◇　こんな映画もありますよ～
映画「精神」：「病と共に生きる人」、そしてその彼らと共に生きる人
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映画「奇跡の２０００マイル」：人生の砂漠を歩く女性の生き様
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映画「バイバイ、ママ」：「ママっ子男子」はアメリカでも！
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映画「「クワイエット・ルームにようこそ」：おもしろうて　やがて悲しき映画かな
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