ドキュメンタリー映画「徘徊」:認知症の母と娘の日々を描いた作品
今日見た映画はこれ
「パパが遺した物語」
まず予告編を紹介します。
この映画、現在神戸では上映中なのでネタバレはできません。
ですから私の感想程度になってしまいますが、実に心を揺さぶられる作品でした。
まず何より父親役のラッセル・クロウが渋い!!
映画「ビューティフル・マインド」を見て大ファンになった私としては、これだけで大満足。
その父親は自分の運転の不注意から事故を起こし、妻を死なせてしまいます。
それは一人娘のケイティにとっては、大切な母親を突然失う、という大変な対象喪失体験でした。しかしけなげにもその哀しみを父親の前では見せないケイティ。しかしある時、同じような年代の子どもが母親の胸に抱かれる姿を見て思わず胸に秘めた哀しみを溢れさせてしまいます。
それ以後、罪悪感もあってか、父親で小説家のジェイク(ラッセル・クロウ)は心に傷を抱えながらも、男手一つで幼い娘ケイティを育てますが、事故の後遺症もあり躁うつ病になって入院生活を送ることになります。
その間、再び大切な家族(父親)を喪失する体験を積み重ねることになるケイティ。
躁うつ病は克服したものの、ジェイクは事故の後遺症である全身のけいれん発作にたびたび悩まされるようになります。そしてついにジェイクはその発作での転倒で後頭部を打ち付け・・・・・。
ネタバレはできませんが、とにかく愛する家族の度重なる対象喪失体験を経て、人を愛することに臆病になります。
確かにこういう対象喪失体験は長くその人の人生に影を残すでしょうね。
胸にぽっかりと空いた満たされない空虚感や虚しさを紛らわすために、アルコールや行きずりの男性との無節操な性体験を積み重ねていくケイティの哀しみや虚しさの思いが伝わってきてたまらない気持ちになりました。
ケイティは自らを救うためでしょうか、ソシャルワーカー(と映画では言っていましたが、むしろカウンセラーと理解して良いと思いますが)になり、同様の辛い体験をして緘黙状態の少女とも関わっていきます。
このエピソードも私の立場としては、大変興味深く感じられましたね。
「傷ついた治療者」というキーワードがありますが、人を癒すためには自らがまず自分の哀しみや心の傷を自らの力で癒す体験が必要とされます。つまり「私治す人、あなた治される人」ではなく、「同じ傷をいやす」という関わりが必要なのかもしれません。
自分の仕事とも関連して、色々なことを考えさせられた映画でした。
興味があればぜひ!
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